こんにちは、障害者の採用担当者であり、アドバイザーのKです。
今回は、障害者の採用では切っては考えられない産業医についてです。
産業医の仕事をよく理解して、どの場面で産業医が使えるのかわかっていると、病気になった時や、体調が悪くて仕事が進められない時などに味方になってくれます。
ここでは、そんな産業医の利用の仕方を解説します。
良く理解して利用してください。
企業における産業医の仕事
産業医は社員の健康管理を専門的立場で診ます。
それは労働安全衛生法により設置が義務付けられています。
簡単に言うと、社員が気持ちよく仕事が出来るために健康な体と健全な精神を保てるようにサポートすると言う事です。
特に障害者の社員へは、定期的に面談を実施し健康面のチェックをします。
また、障害者側から何か問題がある時は産業医に面談のリクエストも可能です。
そこで、今回ここでは2つ覚えておいて欲しい事があります。
それが「就業制限」と「傷病手当金」です。
産業医を使って就業制限
最近は減ってきてはいると思いますが、まだ違法にサービス残業を行っている会社があります。
障害者といえど特別ではなくサービス残業を強いられる場合があります。
そんな時に産業医を上手く利用しましょう。
就業制限とは字のごとく、就業に制限をかけるものです。
例えば、就労時間であったり、業務内容であったり、社員の負担となり体調を崩している、または崩しそうな方を対象に社員の健康をサポートする産業医が制限をかけるのです。
自分からは上司や同僚に言いにくい場合などは産業医に面談をリクエストし、そこで体調や負担になっている原因をしっかりと伝えることが大切です。
すると、産業医から人事あてに就労制限が出ますので、人事はそれをもって社員に就労制限を掛けます。
あまりに過酷な時は、アリだと思います。
正当な権限です。
言いにくいとか、後々の周りの目が。。。なんていっていてはだめです。
正式なルートで制限をかけるのですから、まったく問題ありません。
また、それを機会に上司や周りも仕事を見直す良いきっかけになる場合があります。
健全な職場を維持するのにも良いでしょう。
我慢して体と心を病むより、事前に自分でも対策しましょう。
産業医を使って傷病手当金の申請
傷病手当金は、健康保険加入者が病気や怪我などで働けない場合、健康保険組合から毎月お金が支給される制度です。
もちろん、障害者も利用する事が出来ます。
受給期間は最長1年6か月までで、受給額は給与の額の約3分の2ほどの金額が支給されます。
そして、その受給には4つの条件があります。
4つの条件
- 業務外の病気や怪我で治療中であること
- 1が原因で業務が遂行出来ない状況であること
- 4日以上仕事が出来ない状況であること
- 休んでいる間は給与が支給されないこと
以上が4つの条件になります。
シックリーブ制度がある場合、それと並行して利用することはできません。
*シックリーブについては、こちらの記事に書かれています。
障害者雇用のシックリーブ制度を理解してじょうずに利用しよう
また、待機期間が3日あるので、その間に出勤すると対象外になりますので、お気をつけ下さい。
ただし、待機期間は土日祝祭日をいれた公休日と有休やシックリーブも含まれます。
これは、通常は主治医に書類を記入してもらいます。
ですが、中には書類を記入するのを拒む医師もいます。
この時、書類に産業医の意見として記入してもらうことが出来ます。
主治医に傷病手当金の書類に記入してもらえない場合や、言いにくい場合は産業医に相談をすると良いでしょう。
障害者から見た産業医のデメリット
ここからは少々辛口です。
産業医は大いに社員に貢献していますが、言う事を鵜呑みにするのは良くありません。
もちろん資格もあり知識もありますが、専門以外は知識だけです。
特に精神障害者は気をつけるべきでしょう。
産業医は医療としての知識はあっても全ての障害について臨床は行っていないので経験不足で個々への対応は無理です。
その辺は障害者の主治医の方が詳しいので、産業医の言う事で仕事に影響が出ている場合や出そうな場合は、主治医に相談をして必要であれば意見書を書いて貰い上司や人事に提出しましょう。
また、態度が横暴な産業医もいますので気を付けましょう。
まとめ
如何でしたでしょうか。
障害者が企業で働くとき、産業医の仕事を理解してどの場面で利用するか解りましたか。
社員の健康管理や体調の悪い時に使うだけで無く、「就業制限」や「傷病手当金」に使える事を理解して頂けましたか。
普段から利用する事はあまり無いかも知れませんが、どんな時に産業医が見方になってくれるのか知っておくと、いざと言う時に困りません。
困ったときは、この記事を思いだして下さい。
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