聴覚障害仕事
監修:所 智子(トコロ トモコ)
監修:所智子さん
幼少期から難聴
マイクロソフトからヒューレットパッカードを経て、NHKワンポイント手話出演。

聴覚障害と一言で言っても『ろう者』『中途失聴者』『難聴者』に分かれ、更に難聴者は聞こえるdb(デシベル)によって分類されますが、ここでは障害者手帳を持っている全ての人が対象です。

解説は、都内某企業で現役の採用担当をする当メディアのアドバイザーLです。

アドバイザーL

こんにちは、アドバイザーLです。

聴覚障害の方の仕事探しは、ポイントがずれていると良い仕事は見つかりません。
又、仕事が見つかっても長く続けられません。
ここでは、聴覚障害の方の仕事の探し方とポイントを解説します。
障害者の就職と転職ガイドアンケート記事内では、当メディアの無料個別相談の時にお願いしているアンケート調査(2018/09~2022/03)とクラウドワークスで調査したデータや生のコメントも紹介しています。

少しでも、あなたの仕事探しの参考になれば幸いです。

聴覚障害の方へおすすめする仕事の探し方

まず、最初に聴覚障害の方の仕事の探し方を転職と就職に別けて紹介します。

  • 働く準備が出来ている聴覚障害の方の転職
  • 働く準備が必要な聴覚障害の方の就職

働く準備が出来ている聴覚障害の方とは、聴覚障害者として社会人の経験があり、自分に必要な合理的配慮が解っている方や現職がある方です。働く準備が必要な聴覚障害の方とは、中途失聴や難聴で聴覚障害者としての社会人経験が無いか少ない方で、自分に必要な合理的配慮が解っていない方です。それでは、ひとつずつ仕事の探し方を紹介していきます。

働く準備が出来ている聴覚障害の方の転職

最初は聴覚障害の方の転職におすすめのサービスを紹介します。それぞれのサービスにぴったりな条件の方をあげているので参考にしてください。

ランスタッド

ランスタッド

ランスタッド

問い合わせ・無料登録
「障害のある皆様の転職をサポート」
ランスタッド株式会社
ランスタッドカブシキガイシャ
https://www.randstad.co.jp/
設立:1980年8月〒102-8578 東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート21F
対応エリア:全国 93拠点、代表取締役会長兼CEO カイエタン・スローニナ、資本金:1億円

聴覚障害で社会人経験のある方が年収アップやキャリアアップを希望する転職はランスタッドがおすすめです。ランスタッドは元々は一般の求人サービスをしていて特にハイキャリアや専門職に強いサービスをしています。その中から障害があってもサポートがあれば結果を出せる求人を紹介できるので高収入ハイキャリアを実現できます。

合理的配慮のある環境で、聴覚障害に関係なく活躍をしたい方は登録をしておきましょう。

『ランスタッドがぴったりな方』
  • 社会人経験がある
  • 合理的配慮がある環境で年収アップや正社員の仕事を探す
  • 年収600万円以上のハイキャリアを探す

ランスタッド公式
https://www.randstad.co.jp/

dodaチャレンジ

dodaチャレンジ

dodaチャレンジ

問い合わせ・無料登録
「利用者の95%が満足」
dodaチャレンジ
ドゥーダチャレンジ
https://doda.jp/challenge/
〒108-0014 東京都港区芝5-33-1森永プラザビル本館19階 パーソルダイバース株式会社
対応エリア:全国、代表者名:井上 雅博、従業員数:521名、資本金:4,500万円

利用者満足度95%のdodaチャレンジは、TVCMでお馴染みのdodaやテンプスタッフと同じパーソルグループの特例子会社パーソルチャレンジの運営で、就労移行支援ミラトレも同じです。

dodaチャレンジは特例子会社として300人以上の障害者を雇用している実績と経験から合理的配慮のある提案が的確です。また、就労移行支援運営のノウハウからひとり一人に合ったサポートにも精通しています。

聴覚障害の方が安心出来る職場環境で、安定して長く働ける求人の提案はdodaチャレンジが良いでしょう。

『dodaチャレンジがぴったりな方』
  • 大手企業の安定した仕事を探している
  • 年収もそこそこ高い仕事を探している

dodaチャレンジ公式
https://doda.jp/challenge/

アットジーピー

アットジーピー

アットジーピー


問い合わせ・無料登録
「働くをまるごとサポート」
アットジーピー
アットジーピー
https://www.atgp.jp/
〒104-0031 東京都中央区京橋2-4-12 京橋第一生命ビル3F 株式会社ゼネラルパートナーズ
対応エリア:全国 代表取締役社長:進藤 均

アットジーピーは、障害者の求人数は業界TOPクラスで、特に地方の求人数は他社より群を抜いています。その中でも、掲載されている求人の半分以上が「筆談への配慮」と「電話への配慮」があり、IターンやUターンを検討している聴覚障害の方にぴったりなサービスです。

また、聴覚障害専門の就労移行支援を運営しているので、働く準備をしながら仕事を探せるのも良いポイントです。

atGPジョブトレ聴覚障害コース >

『アットジーピーがぴったりな方』
  • 地方の仕事を探す
  • Iターン、Uターンの仕事を探す
  • 働く準備をしながら仕事も探したい

アットジーピー公式
https://www.atgp.jp/

エージェント・サーナ

エージェント・サーナ

問い合わせ・無料登録
「障害者の転職業界のパイオニア」
エージェント・サーナ
エージェントサーナ
https://www.agent-sana.com/
〒108-0023 東京都港区芝浦3-16-4 山田ビル5F
対応エリア:関東首都圏・関西圏、代表取締役社長 川﨑 芳清 / 常務取締役 泉 雅子、資本金:1億円

業界最古参のエージェント・サーナを運営するイフは、国内で最初に障害者向けの転職支援をはじめた企業です。聴覚障害の方のサポートも長くしているので実績も多いです。

サポートは評判が良く、サーナの公式webで聴覚障害の方の成功体験を読むことが出来ます。

『サーナがぴったりな方』
  • 聴覚障害で働く相談をがっつりしたい
  • 聴覚障害の採用実績がある企業を探す
  • 成功体験を参考にしたい

エージェント・サーナ公式
https://www.agent-sana.com/

その他の条件で探す場合は、当メディアのこちらの記事を参考にしてみてください。

【総合案内】7つの障がい者におすすめの転職エージェント&求人サイト >

働く準備が必要な聴覚障害の方の就職

聴覚障害者として社会人経験が無いか少ない方が、自分に必用な合理的配慮や働き方を習得して社会に出る準備をします。

中途失聴や難聴の方がトレーニング出来るところは本当に少ないですが、出来るだけ利用して準備をしてから社会に出ると働きやすくなります。

【特化型】atGPジョブトレ聴覚障害コース

atGPジョブトレ聴覚障害コース

おすすめは、atGPジョブトレ聴覚障害コース(旧いそひと)で、聴覚障害に特化したサービスです。

転職サービスのアットジーピーと運営が同じなので、働く準備をしながら就職先を探す事が出来ます。

ポイントは聴覚障害に特化しているからこそ、聴覚障害のタイプ別に必要なコミュニケーション方法や働き方を習得することが出来ます。

『利用がぴったりな人』
  • コミュニケーション能力を上げたい
  • 自分に合った働き方を身につけたい
  • 早く仕事を見つけたい

atGPジョブトレ聴覚障害コース公式
https://www.atgp.jp/training/course/chokaku/

残念ながら、atGPジョブトレ聴覚障害コースは都内に1カ所しか有りません。その他の支援については、当メディアのこちらの記事を参考にしてみてください。

【改・最新版】就労移行支援おすすめ総合ランキングBest5 >

聴覚障害の方の求人と仕事

聴覚障害の方の求人データ
そもそも、聴覚障害者の求人はあるのか?

答えはあります。通常、障害名での募集はないので「筆談への配慮あり」や「電話への配慮あり」と言ったように記載されていることが多いです。試しにアットジーピーで検索をすると全掲載件数1003件中半分以上になる508件がヒットしました。
(*2022/01/07時点)https://www.atgp.jp/

求人があるのは解りましたので、更にどのような仕事の種類があるのか調査していきます。

聴覚障害の求人

まず、どのような業界からの求人があるのか、参考になるようにアットジーピーの508件の求人の中からランダムで100件を抜き出し調査しました。
聴覚障害の方が対象になる「筆談への配慮あり」や「電話への配慮あり」の業界別求人です。

業界別求人案件数調査結果

業界 求人数
メーカー 33件
サービス・インフラ 23件
小売り 21件
IT・ソフトウェア 7件
商社 5件
金融 5件
広告・出版・マスコミ 3件
官公庁・省庁・団体 3件
合計 100件

聴覚障害の業界別求人数円グラフ
*求人データ:アットジーピー

雇用形態別求人数調査結果

業界別求人案件数100件の求人の中から雇用形態別に集計しました。1社で複数の雇用形態の募集もありました。

雇用形態 求人数 パーセント
契約社員 64件 43%
正社員 39件 26%
パート・アルバイト 26件 18%
嘱託社員 19件 13%
合計 148件

聴覚障害の雇用形態集計結果グラフ

グラフで は 契約社員が 一番に なっておりますが、 ここ 近年では 正社員 が 増えて きて います 。 聴覚に 限らず 、 障害者 全体 で 正社員 の 求人は 増えております。気づいたことですが首都圏の方が正社員の求人が少なかった事です。

地域別求人数

業界別求人案件数100件の求人の中から、求人のある地域をまとめました。結果は25の都道府県から129件の求人がありました。ここでは求人数が多い上位5都道府県を紹介します。詳しいデータは記事下部にあるので参考にしてみてください。

地域名 求人数
東京都 39件
大阪府 13件
愛知県 8件
神奈川県 8件
広島県 5件


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聴覚障害の仕事の種類

業界別求人案件数100件の中から仕事の種類別にまとめました。

仕事の種類 求人数 パーセント
一般事務 59件 40%
営業事務 34件 23%
軽作業 20件 14%
技術職 19件 13%
ITエンジニア 9件 6%
販売職 6件 4%
営業職 1件 1%
合計 148件

聴覚障害の仕事の種類集計結果のグラフ

調査結果は、予想通り一般事務が一番多かったです。意外なのは営業事務が2番だったことです。予想では、軽作業が2番だったので意外でした。あと、私の聴覚障害のある友人はスターバックスやジョナサンなどで仕事をしている方が結構いるので販売職がもっと多いと予測していましたが意外に少なかったです。

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聴覚障害の方におすすめの仕事

聴覚障害の方におすすめの仕事
今回使っている聴覚障害の求人データからは、一般事務が1番で営業事務が2番でしたがおすすめの仕事は他にも沢山有ります。

聴覚障害の方は多くの業種や職種で活躍をしています。
私の友人も、事務職をはじめIT業界で専門職としてプログラミングをしていたり、他にも『美容師』『理容師』『薬剤師』として活躍をしています。

すなわち、聴覚障害の方が向いている仕事は『聴覚障害への理解と合理的配慮があり、あなたが望むならば色々なところで幅広く活躍することが可能』です。

もし、これから先のことを考えて何の仕事をするのか悩んでいるようでしたら、パソコンを使う仕事をおすすめします。

パソコンのスキルの基礎があれば一般事務職や営業事務の仕事が出来ます。事務職だと電話対応が有るのでは無いかと心配をされる方もいますが、聴覚障害のある方の求人をしている時点でその点は配慮されて対応しないで良くなっています。また、心配なコミュニケーションはメールやチャットなどのツールを利用することで仕事をしていて不便は感じないでしょう。

更に、パソコンを使った専門的な仕事では、CADやプログラマーなどもおすすめです。最近は、人手不足で人材を育てる目的で経験不問な求人もあります。その他にも、ゲーム業界のキャラクターデザインやアニメーション制作など、パソコンを使った仕事は山ほど有ります。パソコンをある程度使えれば、フリーランスとして独立したり副業でも活躍できます。

副業に興味がある方は、こちらの記事も参考にして見てください。

【実践】障害者の僕が推薦する11の副業の紹介と『その先』>

なので、聴覚障害の方におすすめの仕事はパソコンを使った仕事になります。もし、これから先の方向性で悩んでいるのなら、おすすめは間違いなくコミュニケーションで困らないパソコンを使う仕事です。その一部を紹介します。

聴覚障害の方におすすめの事務職系の仕事

仕事 おすすめのスキル
データ入力
一般事務 MOS サーティファイ
医療事務 MOS サーティファイ
経理・会計・財務 MOS サーティファイ
総務・人事・法務 MOS サーティファイ
システムオペレーター
ヘルプデスク


聴覚障害の方におすすめのクリエイティブ系の仕事

仕事 おすすめのスキル
DTPオペレーター Photoshop Illustrator Indsgin
CADオペレーター AutoCAD JW_CAD
グラフィックデザイナー Photoshop Illustrator
CGデザイナー Photoshop Illustrator 3DCGSoft
イラストレーター Photoshop Illustrator
映像クリエーター Premiere Pro After Effects


聴覚障害の方におすすめのWeb・インターネット系の仕事

仕事 おすすめのスキル
webデザイナー Photoshop Illustrator HTML CSS JavaScript
webプログラマー HTML CSS Javascript PHP


聴覚障害の方におすすめのITエンジニア系の仕事

仕事 おすすめのスキル
プログラマ JavaScript Java PHP Ruby Python C言語 C++
ネットワークエンジニア CCNA CCNP


パソコンが苦手だと言う方には、軽作業や庶務をおすすめします。企業の仕事には、まだまだ人手が必要なメール室の仕事や企業内のカフェテリアなどの仕事があります。

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聴覚障害 の方ができない仕事・向いていない仕事

いくら聴覚障害に理解や合理的配慮があっても出来ない・向いていない仕事があります。

  • テレホンアポインター
  • ヘルプデスク
  • 受付
  • テープ起こし
  • 声優

これらの仕事は、声や音がメインの仕事なので、聴覚障害の人には向いていません。

【アドバイザーLの考え方】
確かに、障害特性上出来ない・向いていない仕事はありますが、それ以上に活躍出来る職業や職種は数多くあります。

例えば、議員として政治の世界で活躍をしている斉藤里恵さん(都議会議員・大田区)家根谷敦子さん(兵庫県明石市)もその中の2人です。

音に関する仕事は難しいですが、その他であれば幅広く活躍出来る仕事があります。

聴覚障害の方が仕事を探すポイント

聴覚障害の人が仕事を探すポイント聴覚障害の人が仕事をするのに一番大事なことは、難なくコミュニケーションが取れることです。それが出来る合理的配慮のある企業を探す時に確認をするポイントを解説します。

ポイントは5つあります。

-確認する5つのポイント-

  • 聴覚障害への正しい理解
  • 情報保障の理解
  • 聴覚障害の仕事への配慮
  • コミュニケーションの取り方
  • 聴覚障害の災害時対策

聴覚障害の受け入れ準備が出来ている企業 はここで 紹介する 5つの ポイント を しっかり 押さえて います 。

1.聴覚障害への正しい理解

まずは、聴覚障害について正確に理解が出来ている必要があります。ここでいう理解は医学的なことではなく、聞こえ方はひとり一人違いがあると言うことと、それにより必要な配慮が変わると言うことです。

例えば、聴覚障害者のコミュニケーション=手話ではありません。手話や指文字のできない聴覚障害者もいます。難聴者でも2級と6級ではコミュニケーション方法が変わる場合もあります。静かなところでは会話が可能な方や、口話が出来る方などひとり一人違いがあります。中途失聴者は、筆談の方が良い方もいます。

また、会話をする環境でも変わります。静かな屋内、雑多な音が多い屋外、反響がある屋内、複数人よりも1対1で話すなども考慮する必要があります。このように、ひとり一人違いが沢山有るので聴覚障害をひとくくりにしたコミュニケーションの方法を決めるのではなく、本人が一番ストレスを感じない方法が必要であることです。

聴覚障害への理解を確認する方法は、採用選考で面接になれば解る事ですが、事前に採用実績があるかないかでも確認できます。過去に採用実績があるところは聴覚障害のある方を採用する時点で聴覚障害を理解する講習を受けていたりします。
(企業向けに株式会社UDジャパンなどが実施しています。)

一番確認がしやすいのは、この記事の聴覚障害の転職のところで紹介したサービスを利用するときに聞くのが一番良くわかるでしょう。

2.情報保障の理解

聴覚障害の方への情報保障は、複数の人が集まる企業では必須になります。通常の業務、社内アナウンス、会議や社員総会など多くの情報を保障する必要が有ります。

方法は、手話通訳、要約筆記、PCテイク、筆談や字幕などがあります。利用するシーンによって変わってくると思いますが、情報保保障が有るだけではダメです。しっかり保障されているか事前に確認しておきましょう。

3.聴覚障害の仕事への配慮が出来る

聴覚障害の方の仕事への配慮も事前に確認するべき重要なポイントです。
必要な配慮がされていること、過度な配慮になっていないかなどしっかり確認しましょう。

聴覚障害の方の仕事への配慮は、業務内容や指示を目視できるようにしてあることです。また、質問などは誰に聞けば良いのか明確になっている必要があります。

聴覚障害の方の仕事への配慮が足りなくても、過度な配慮でもストレスがたまることは間違いありません。これも、ひとり一人に必要な配慮が変わるので、指示系統や指示の出し方など具体的に細かくチェックしましょう。

一番大事なのは、一緒に仕事をする仲間やチームでの情報共有の仕方です。これは全員に明確にしておく必要があります。もし、これが明確になっていないのであれば、面接時にハッキリリクエストをしましょう。

方法は、システムやコストの関係で企業側に任せる方が良いです。

ここで、気をつけることがあるので記載しておきます。仕事以外にも社内のことで聞きたいことがあるかもしれません。その場合は、多くの方に振り分けて聞くと良いでしょう。多くの人とコミュニケーションがとれるのも良いのですが、一人だけに集中して聞くと、聞かれる側が最初は良くても段々ストレスになることがあるからです。

4.コミュニケーションを取る方法

コミュニケーションを取る方法ですが、これは電子パッドやメール、チャットなどの機器やスマホの音声認識アプリなども大切ですが、それと一緒にコミュニケーションの取り方も重要です。

例えば、耳元で大声で話すのではなく、口を大きく動かしてはっきりゆっくり話す、後ろから話しかけない、大事なことは文字にして残す、聞き取れない時は別の言葉に言い換える、など聴覚障害の方がコミュニケーションを取るために必要な事を知っておいてもらう必要があります。

良くあるのがコミュニケーションツールはそろえてありますが、コミュニケーションの取り方を理解していない企業や人がいるので、良く確認しておきましょう。入社後に発覚するパターンが頻発しています。

5.聴覚障害の災害時対策

仕事中の災害時を想定した対策が出来ているのかもしっかり確認しましょう。

仕事の仕方では、社内で1人になるような場所での仕事はしないことです。残業や休日出勤などで1人になることもNGです。災害時の報知器が聞こえないのでとても危険です。

災害時に設置する機器としては、火災報知器と連動している「LEDの文字情報」や、「回転灯」や「フラッシュランプ」など光で危険を伝えてくれる装置があるのか確認をしましょう。

聴覚障害者の悩みQ&A

当メディアへの相談の中からいくつか抜粋して紹介します。

Q.
私は難聴です。前職は、事務職をしていました。コロナ禍で解雇になり今仕事を探しています。聴覚障害6級ですが、待遇などを考えると一般枠で探した方が良いでしょうか。障害者雇用の年収は悪いと聞いています。

A.
聴覚障害6級で、前職で不自由が無かったのであれば一般枠でも問題無いのかもしれませんが、今後の事を考えると聴覚障害に理解の有る企業に勤めることをおすすめします。理由は、加齢です。健聴者も加齢により耳が遠くなります。それは、難聴者も同じです。そのことを考えると、十分配慮の出来る企業で安定して仕事ができる環境をおすすめします。また、年収ですが仕事の内容により変わります。10年以上前には障害者だから年収が悪いという事もあったようですが、現在はそのような企業は少ないです。

聴覚障害6級の方の成功体験がエージェント・サーナで複数読めるので、参考に見てみると良いですよ。


Q.
聴覚障害2級です。現在仕事をしていますが、職場でメールの文章がおかしいとか日本語が下手とか私がいないところで言われているようです。家族に相談をしたところ気にしなくていいと言われます。確かに今から新しく仕事を探すのは大変だと思います。でも、陰で言われているのが気になって仕方有りません。それでも、転職しないで我慢した方が良いのでしょうか。

A.
文章の苦手なろう者について、知らない企業がほとんどかと思います。文章のみならず、いわゆる「ろう文化」というものを理解している人も 一般企業では ほとんどいないと思われます 。その理解を求めて転職を繰り返すよりも、現職場で担当者にしっかり説明することが必要かと思います 。全員に理解を求めても無理なので 、一人でも理解してくれる人を見つけて 、「できること」と「できないこと」を明確に し、できないことについては、どのようなサポートが必要なのかを説明する力が聴覚障害当事者にも求められると思います。ずっと我慢は良くないですが 、転職先を探す前に良き理解者を見つけること 、自分に ついて正しく説明する力をつけることにトライしてみて欲しいかなと思います。


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最後に

如何でしたでしょうか。

聴覚障害の方の仕事の探し方とポイントについて解説しました。最後に当メディアとクラウドワークスで実施したアンケートに答えて頂いた中から応援のコメントの一部を紹介します。
【アンケートのコメント】

女の人
中途失聴

前職では障害を理解してもらえなくて、転職サービスに相談をしました。4ヶ月ほどかかりましたが、聴覚障害の受け入れ実績がある企業に転職できました。実績があるからと言って、そんなに期待はしていませんでしたが、防災機器やコミュニケーションツールは事前に情報があったので知っていましたが、聴覚障害への理解を深める講習を定期的に実施していることを知り驚きました。これであれば、色々な症状の方でも安心して働けると思いました。これから、転職や就職する方も最初にしっかり選んで臨んでください。

もっと見る >
女の人
難聴:聴覚障害3級

私は、トランスジェンダーで聴覚障害があります。前職では、トランスジェンダーを隠して障害者として仕事をしていました。ですが、しっかりトランスジェンダーを公開して障害者枠で仕事をしたいと思い、思い切って転職サービスに相談をしました。難しいかなと思っていたのですが、結構早く理解のある企業を紹介をされトントン拍子で転職できました。情報量とはすごいと思い知らされました。これから転職されるかたも頑張ってください。


女の人
難聴:聴覚障害3級

外資で障害者として12年努めて定年で退職しました。ですが、退職してもやることがないので同じ企業に再就職しました。やはり長年勤めたところは居心地が良いです。これから就職や転職をする人も自分に会っている企業が見つかったら簡単に辞めてはダメですよ。でも、その前に自分に合っている会企業を探すのが最初ですね。


男の人
中途失聴

中途失聴で転職して仕事をしています。手話は出来ませんが、困っていません。職場の理解が良いので筆談で必要な事は済んでいます。ただ、通勤はアナウンスが聞こえないので困っています。特に、電車内にいるとき停車されると何があったのか解らないので会社に連絡するのが困ります。でもそれ以外は楽しいですよ。


男の人
難聴:聴覚障害4級

転職サポートの面談で感じたのは、聴覚障害が解っていると言う事でした。
コミュニケーションの取り方が良いので、面談がスムーズでした。
これであれば、障害への配慮がある企業を紹介して貰えると安心出来ました。
これから転職される方もサポートは利用した方が良いですよ。頑張ってください。


女の人
中途失聴

ろう学校を出ている人は、ろう文化に慣れているので中途失聴の私より生活はしやすいと思います。
中途失聴者は、聴覚障害者として生活や仕事を学ぶ場所がありません。
でも就労移行支援なら、その訓練が出来ます。
仕事をしたい気持ちが焦るのは解りますが、まず準備をしてからにしましょう。


女の人
難聴:聴覚障害4級

私は、難聴で大学に通っていました。
同期と一緒に就活をはじめたのですが難聴が問題なのか、どこも決まりませんでした。
その後卒業をしてから家族から就労移行支援を知り利用して解ったことがあります。
それは、聴覚障害者には聴覚障害者の生活スタイルがあると言うことです。
健聴者と同じにしようと思うので難しいのですが、聴覚障害者にあっている方法を覚えれば、特に問題はありません。聴覚障害として生活することに慣れていない人は、まず就労移行支援で覚えると安心出来ます。


男の人
難聴:聴覚障害6級

友人から、聴覚障害の人は、転職サポートを利用すると採用されやすいと聞いて利用しました。
確かに、採用はされやすいのでは無いかと思うくらい求人を提案してくれますが、全てが良い企業ばかりでは無いので注意です。
僕でも知っているようなブラックを普通に提案してきます。


男の人
中途失聴

エージェントに登録すると仕事は紹介して貰えます。
ですが、同じ企業なのにエージェントによって条件が違っていました。
求人が古いのか、間違いなのかその時は解りませんでしたが、エージェントによって違いがあるようです。


女の人
中途失聴

中途失聴で前職を退職しました。
再就職をするのに色々な所に相談をして就労移行支援から就職をする事にしました。
聴覚障害者の仕事方法を一から学べたことと、生活面のアドバイスもあり、就労移行支援を利用する前とは生活しやすくなったと思っています。利用を悩んでいるなら見学してみると良いですよ。


男の人
ろう

転職サポートは登録から内定まで楽で早いです。
登録後、指示に従っているだけで面接になり、結果が出たと思ったら内定でした。

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『聴覚障害のデータ』
質問とコメントは、当メディアのアンケートとクラウドワークスを利用
https://crowdworks.jp/

「聴覚障害の方向けアンケート内容」

1.障害について教えてください。
1-1.ろう
1-3.中途失聴者
1-2.難聴

2.手話は出来ますか
2-1.出来る
2-2.出来ない

3.就職・転職で困った事は何ですか?

4.仕事で一番困ったことは何ですか?

5.就職先を教えてください。

6.これから就職・転職する方に応援のコメントを150文字以内でお願いします。


「聴覚障害求人データ」
data:アットジーピー
https://www.atgp.jp/


業界別

業界別 求人数 パーセント
メーカー 33 33%
サービス・インフラ 23 23%
小売 21 21%
IT・ソフトウェア 7 7%
商社 5 5%
金融 5 5%
広告・出版・マスコミ 3 3%
官公庁・省庁・団体 3 3%
合計 100  

 

職種別

職種別 求人数 パーセント
一般事務 59 40%
営業事務 34 23%
軽作業 20 14%
技術職 19 13%
ITエンジニア 9 6%
販売職 6 4%
営業職 1 1%
合計 148  

 

雇用形態別

雇用形態 求人数 パーセント
契約社員 64 43%
正社員 39 26%
パート・アルバイト 26 18%
嘱託社員 19 13%
合計 148  

 

地域別

地域 求人数
東京都 39
大阪府 13
愛知県 8
神奈川県 8
広島県 5
埼玉県 5
千葉県 5
茨城県 5
全国 4
岩手県 4
山梨県 4
京都府 3
岡山県 3
山口県 3
福岡県 3
北海道 3
静岡県 3
滋賀県 2
宮城県 2
兵庫県 2
長崎県 2
福島県 1
香川県 1
青森県 1
分布 129

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