障害者のナビゲーションブックのダウンロード
管理人K管理人K

こんにちは、障害者であり、現役の障害者採用担当をしている管理人Kです。
今回は、『ナビゲーションブック(自分マニュアル)』の必要性と作り方についてです。

皆さんは、『ナビゲーションブック』とか『自分マニュアル』または『自分のトリセツ』って知っていますか。

自分マニュアルは、僕が10年ほど前、障害者採用担当になる前からある物で、ある企業の一般採用で使われていた物です。他ではナビゲーションブックとか自分のトリセツとか言われ、今では就労支援などで多く使われています。

今回は、ナビゲーションブック(自分マニュアル)について必要性と作り方を解説します。
記事中にフォーマットがテンプレートとしてダウンロード出来るようになっています。
よろしければ、お使いください。

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面接でナビゲーションブック(自分マニュアル)の必要性

白いパズル

元々はこのナビゲーションブック(自分マニュアル)、面接官が面接に来た障害者を知る為に作成され始めたようです。履歴書と職務経歴書だけより、得意なことと苦手なことが解り必要な合理的配慮が明確に記されているので便利です。

就労支援等に通所しながらナビゲーションブック(自分マニュアル)を作ったことのある人も、まだ作ったことない人も、これから面接に行く前にじっくり作りこんで持参してほしいと思います。

その前に、なぜナビゲーションブック(自分マニュアル)が必要なのか考えてみましょう。

障害者は、持っている障害によって障害名がつき、各市区町村から障害者手帳が発行されます。
ですが、障害者手帳には障害名と等級が載っているくらいで障害者だと証明するだけにしかすぎません。

そもそも、それが目的なので問題はないのですが、障害者の面接選考時に必要とされる手帳の有無があります。
それを企業に提出することで障害者枠として選考が進められるのですが、面接官は障害名と等級だけわかっても、おそらく「ふーん」って感じでしょうね。

あ、障害者ですね。って感じです。あと逆に障害について私は詳しいと思い込んでいる方、これは厄介です。頭からこの障害はこうだ!と決めつけてきます。
障害者にしたら、どちらも同じで、全くわかってくれていないと思うでしょう。

同じ障害名でも、人それぞれ症状や配慮は違うのですから、種類分けではないので決めつけないで欲しいと思います。

そこで、履歴書と職務経歴書に足してナビゲーションブック(自分マニュアル)を渡すのが自分を理解してもらう為の手段なのです。
たった数十分の面接でいかに自分を良く理解してもらうかが必要なので、それには自分マニュアル(ナビゲーションブック)を提出するのはとても有効な手段です。

ナビゲーションブック(自分マニュアル)障害者のメリット

障害者が自分ナビゲーションブック(自分マニュアル)を作成して得るメリットは、自分の障害特性と症状について伝え、障害と個人を合わせた個性を正確に知ってもらう事です。

得意な事、苦手な事、困った時の対処方法なども具体的に伝える事が出来るので、何も知らない面接官に個人を良く理解する良い材料になります。

また、口頭ではその場で伝える事が難しい障害者もいますので、文書にまとめて提出される方が事前に自分でチェックが出来て納得したアピールになるので、障害者にとって良いメリットになります。

ナビゲーションブック(自分マニュアル)企業のメリット

企業の面接官は、初めて会う人がどのような人で、どのような障害なのか全くわからないので、聞きたいことは山ほどあります。

その時、履歴書と職務経歴書に合わせて自分ナビゲーションブック(自分マニュアル)を提出されたら、そこには聞きたいことの山があるのですから、面接に来た障害者の理解が通常より早くできます。

また、自己分析できている事にも好感を得るはずです。
企業は1人の障害者を採用するのに、とても慎重です。

なぜならば知らないからです。何を知らないかというと全部です。障害についても配慮にしても、知らない事が多いので、自然に慎重にならざるを得ません。

ですが、面接に来た障害者がナビゲーションブック(自分マニュアル)を持参したらどうでしょうか。
不安はかなり無くなるでしょう。この人であれば、この内容であれば採用できそうだとか、面接官の意見だけでなく上司や就業を予定している部門への説得材料にもなります。


このようにナビゲーションブック(自分マニュアル)を作成して提出することは障害者も企業もメリットがあるのです。

ナビゲーションブック(自分マニュアル)の構成

それでは、ここでは自分マニュアルを作成する前に構成をしっかり決めていきます。この段階ではまだフォーマットまでは考えません。何を記入していくかだけ書き出します。

最初に基本情報を入れましょう。

基本情報

「名前 住所 あいさつ文(100文字以内)その他は履歴書に記載」

次に障害名と簡単な説明をいれます。詳しくはあとで説明を入れていくのでここでは障害はあるけれど就業可能だというアピールだけで良いです。

例1:障害名と簡略説明

「例:右下肢機能障害 4級 障害の説明:右下肢に障害があり長い間一か所に立つ事は不可能ですが、階段の将校は問題なく行えます。また通勤も1時間以内であれば電車で通う事が出来ます。」

例2:障害名と簡略説明

「例:精神障害3級 発達障害アスペルガーと診断を受けています。基本的にはまじめにコツコツと打ち込めますが。人とのコミュニケーションが不得意です。具体的な状況については以下の通りです。」

得意なこと

職務遂行について

「なんでも大丈夫ですので、業務でこれは得意だと言う事をいくつでも書いてください。」

対人面について

「ここも得意な事があればいくつでも書いてください。」

考え方・行動の特徴

「ここも正直に記入して大丈夫です。思う事を書いてください。」

苦手なこと

業務遂行について

「苦手な事をはっきりと記入します。その対策についても記入、飛ばしてはダメです。」

対人面について

「具体的に何がダメなのかはっきりと記入します。その対策についても記入、飛ばしてはダメです。」

考え方・行動の特徴

「苦手な事と対策について記入します。その対策についても記入、飛ばしてはダメです。」

健康面

「体力や力など、自信があることを記入します。」

配慮をお願いしたいこと

「パフォーマンスがあがるために必要な事や、仕事の進め方で希望があれば記入します。」

基本の構成はこれでよいと思います。あとはフォーマットを決め作っていきます。

ナビゲーションブックの作り方(ダウンロードあり)

ここに、上の構成をまとめたナビゲーションブック(自分マニュアル)をダウンロード出来るようにしました。よければフォーマットをテンプレートとして活用してください。

download

記ファイルをダウンロードしようとすると警告が出ますが、各ブラウザのセキュリティによるものです。
このファイルは、当ブログで自作しました。ウィルスや悪意はありません。安心してお使いください。

障害者のナビゲーションブック(自分マニュアル)を作る時のコツ

障害者のナビゲーションブック(自分マニュアル)を最初作る時ありがちなのは、良く見てもらおうと思って作ってしまう事です。これは背伸びした自分をアピールするものではなく、ありのままの自分を伝える事が目的です。

これを書いたら印象が悪くなるとか、こう言う事を書けば喜んで貰えるとか考えないで下さい。ありのままを書いて下さい。

絶対に書いて欲しい事

自分の良いところを書く事はもちろん大事ですが、一番書いてほしい事は駄目な事や苦手な事です。
それを書いて書いて書きまくってください。

ただ、そこには対策も一緒に記入してください。

例えば、「こんな事は出来ませんが、こうして頂ければ可能です。」
他にも、「これは無理ですが、こっちであればできます。」

というアサーティブな考えで、対策か代案を思いつく範囲で結構ですので入れてください。

ナビゲーションブック(自分マニュアル)を作って欲しい理由

絶対に書いて欲しい事のところで、書いて書いて書きまくってくださいと書きましたが、これはあなたに取って有益になります。

最初にも書きましたが、たった数十分の面接で色々な事を伝えるとなると、とても難しい事です。
なので、面接官は良い事は最初から心配していません。

それより初めて会った障害のあるあなたが、良く理解が出来ないと不安なのです。

それであれば出来ることや得意な事を言うより、ダメなところや悪いところがあっても、解決策があると面接官に思わせた方が得です。面接官の不安を取り除いてあげましょう。

一方、障害者も安心です。話したくない事や苦手な事を聞かれたらどうしようかと思い、採用されたい一心で黙っているより、苦手な事を伝えたうえで採用となった方が絶対に居心地の良い企業だと思うからです。

転職、転職で面接ばかりの人生より、安定したところで自分に合った働き方を長くした方が良いはずです。

面接やその準備で使われている時間を仕事して、お金に変えて、余った時間を有意義に使う方がきっと良いはずです。

でも、面接にいきなり持って行っていいの?

私は面接をする時、ナビゲーションブック(自分マニュアル)があれば持参頂けるように伝えています。

なぜかって?それはこの前にも書きましたが、短い時間でなるべく面接に来た人を把握し、自分のところで頑張ってもらえそうか判断をしたいからです。

良い候補者は面接をしながら仕事をしている姿が目に浮かびます。
ああ、「この人だったら経理で活躍してもらえそうだな」とか、「この人は法務があっているなと」いう様な感じで見えるんです。

なので、面接官の不安を消す事と、あなたが自分の障害について理解をしている事を面接官に伝えるためにも是非、自分マニュアルは持参してください。

面接官によっては、いきなり渡すとびっくりしてしまう面接官もいるかもしれません。
なので事前に伝える機会がない場合は、当日「このようなものをお持ちしました。」と伝えた後で渡すのが良いと思います。

もし、そこで目を通さないような面接管であれば、その企業は諦めてください。良い環境では無いでしょう。

今は入社後企業内でも作られている

ナビゲーションブック(自分マニュアル)はアップグレードし続けなくてはなりません。なぜならば、自分がアップグレードしているからです。自分だけ最先端なのに、マニュアルだけ古いって可笑しいでしょ?

なので、ナビゲーションブック(自分マニュアル)は更新し続けます。慣れてくると作るのも上手くなり、自分を客観的に捉えるのが得意になってきます。そうなればナビゲーションブック(自分マニュアル)を作成するのも楽しくなります。

また、そのナビゲーションブック(自分マニュアル)は上司や会社の産業医や保健師と共有することで、まわりにあなたの状態を伝える事が出来ます。

上司との定期面談にも生かされると思うので良い事ばかりです。入社後も自分マニュアルのアップデートは続けてください。

ナビゲーションブック(自分マニュアル)を導入した結果

このように障害者のナビゲーションブック(自分マニュアル)を導入すると、入社前から入社後まで自分にとって働きやすい環境が作れます。

結果、満足度の高い就業につながり、定着安定します。

まとめ

ナビゲーションブック(自分マニュアル)の必要性と重要さが伝わったでしょうか。今まで作ったことが有る人も無い人も、まず作ってみてナビゲーションブック(自分マニュアル)のアップデートを続けてみてください。

ここだいじ採用が決まり仕事が始まったら、仕事に合わせて自分マニュアルを更新してください。それを上司と共有する事で更に仕事がやりやすくなるはずです。

如何でしたでしょうか。

今回は、障害者が転職で面接から入社してからも利用が出来るナビゲーションブック(自分マニュアル)について記事を書きました。
採用している私からすると、喉から手が出るほど必要な資料です。

でも、ここを読んだだけでは作れないと言う人もいるでしょう。
私の下手な説明だけでは、上手く作れないのも当然かもしれません。

また、作っても第三者に本当に良く出来ているか見て貰いたい人もいるでしょう。
そういう場合は、当メディアではエージェントを紹介しています。

彼らは、障害者の転職のプロです。

障害特性と合理的配慮がひとり一人違う事について良く理解が出来ていて、第三者として見ることが出来、修正箇所はひとり一人に合わせて的確にできます。

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