障害者採用がうまくいかないと企業の担当者から相談を受けることがあります。
何が上手くいかないかと聞いて見ると、転職エージェントと契約して多くの障害者を紹介して貰ったり、年間何回か面接会に参加してアピールしたり、転職サイトに有料広告を出したり転職エージェントから提案された事はほぼやっているようです。
一見、これであれば問題が無いように思えますが、実態は雇用率は低く、採用してもその一方で退職が続くのです。
企業の規定や就業規則も見直しましたが、結果は同じのようでした。
企業全体の社員は増加する一方、雇用率はどんどん下がる。
その原因について迫ります。
企業の人事では、障害者を企業で採用するだけの目的ではなく、多様性、ダイバーシティと言うグローバルな視野を社員が持つために、社員教育や社会貢献の分野に力を入れています。
そのダイバーシティの中には障害者があり、またその中には身体障害、精神障害、知的障害があります。
昨今、良く聞くようになったダイバーシティですが障害者採用という視点から今回は考えてみたいと思います。
今回は、企業の障害者採用について担当者と、障害者に企業が求めている事を人事から解りやすく説明いたします。
また、今回は医学的専門の見解ではなく、採用に特化した人事からの見方です。
障害名で、障害を判断するな
企業の障害者採用担当者にも良く伝えている事ですが、全ての障害者に当てはまる事です。
それは、障害名は特に関係ないと言う事です。
え?何言ってるの?って思われる方もいると思います。
私のいる人事でも、最初は同じような反応でした。
私が言いたいのは、障害名は医学的に解りやすくするために分類されている事だと言う事です。
なので、その分類に沿って理解すると、あれ?とかあら?って事が良く出てきます。
そうなのです。医学的な見解にあてはめていくと障害の症状が不一致の場合があるのです。
障害者全てが同じ障害名でも同じ症状ではありません。ましてやひとりづつの個性もありバックグランドも違うため、数例の医学的見解にピタっと合うはずがないのです。
専門医や産業医でさえ診断に悩む場合があり、特に精神障害については多分これであろうという診断の場合があると聞きます。
それなのに、人事の私などがちょっと聞きかじっただけで、医学や障害の専門的なことは解るはずがありません。
障害者採用担当者は考え方が大事
ですが、
よく考えてみてください。
医者でもない採用担当者や障害者本人が、よく分からない医学的な事を覚えて伝えられても、伝える方も伝えられた方も、ぼや~んとした感じで理解していると思います。
採用担当者なんてただの企業で働く人事マンです。正直、手帳を見たり障害名を聞いてもなーんにもわかりません。
よく解っているような事を言う人がいますが、それは人から聞きかじったり、ネットや本などを暗記しただけです。
悪く言えば医師も臨床経験が少なければ同類です。
企業の人事で障害者採用を何年担当していましたって言っている方もいますが、年数ではありません。考え方です。取り組み方です。
障害者採用が初めてでも上手く採用してその後も定着できているケースもあります。
少し脱線してきたので元に戻します。
要は、人事として採用面接をする時、障害名で決めつけるなと言う事です。
だから定着しない失敗の採用
特に、書類選考です。まず会う前に障害名で書類のスクリーニングをしない事。
それ以外のスクリーニングは必要だけど、障害名でのスクリーニングは行うべきではありません。
実際に面接であって、目の前にいる方が全てです。
まずは人柄やインスピレーションを大事にし、もちろんキャリアやパフォーマンスも確認します。
それは、障害者採用ではなくても同じ事をします。
そのうえで、障害上仕事をすることで何が不安で心配か、希望職や将来の事などをヒアリングしつつ、どのような配慮があれば入社してもらえるか良く考えながら細かなことまで聞きます。
そのあたりで、採用担当者は頭の中では、すでに入社後のビジョンが出来てきているはずです。
そこで、企業として人事として採用部門として何が必要で何をクリアすれば良いか明確になります。
このとき、障害者は採用担当から細かい事聞いてきて嫌かも知れませんが、それだけ面接担当者が本気になっている証拠です。
ここぞと、しっかりと事実を伝えてください。
これができないので、良い採用ができません。
わかって頂けましたでしょうか、障害名で判断する知ったかさんではなく、1人1人に沿った考えが出来ないとダメなのです。
なので、障害名はいらないのです。
ダイバーシティへ向けて障害者採用の取り組み
Aさんという方が、面接に来てくれました。当社を選んできてくれた方です。
その方の期待に添えるように努力するのが企業の人事の採用担当です。
それが出来ない企業には入る価値ないです。
そもそものところで考え方が間違っているので、永く定着できるわけがありません。
面接に来る方も、数ある求人の中から選んで来るわけですから、その労力も時間も無駄にする事は、とてももったいないのです。
正直に自分の希望を伝えましょう。何が出来て、何が出来ないか。
出来なくても、そこは隠してはダメです。あとで必ず自分につけが廻ってきます。
自分の居やすい環境を、自分で作りましょう。
その為には、障害者は自分が永く仕事を続ける事を考えてしっかり伝える事です。そして採用担当者は障害名で選んだり、障害特性として決めつけるのではなく、多様性を持って1人の社員候補として就業環境を考えられる様にしておいて欲しいです。
それが出来れば、本当のダイバーシティへ向けての障害者採用の取り組みの始まりになります。
最後に、ここまで障害名は関係ないと言ってきました。
ですが、障害の傾向と知識として採用担当者と、障害者が一緒に仕事をする部署や廻りは入社する方の障害について覚えるようにしておきましょう。
まとめ これがダイバーシティの中の障害者採用の第一歩
- 企業の人事採用担当者は1人の為の専門家になれ。
- 障害者は良く見せる為のうそは言うな。
- な思考になれ!
障害者の就活を成功させるのには、大事なポイントがありました。上手な就活ができて良い就業場所に入社できた障害者はこのポイントをしっかり押さえています。簡単な事ではありますが、なかなか気づきにくい所でもあるかも知れません。実際に障害者にインタビューしてまとめた記事です。良い就業に繋げられるように一読ください。