社会人として仕事をするうえで必要な事の1つに、ビジネスマナーがあります。
これを自分のスキルとして覚えるのと、覚えないのでは仕事に雲泥の差が出ます。
それは、障害者も変わりません。
その中でも、特に私が身につけて欲しいと思う事は、「アサーティブやアサーティブ・コミュニケーション」です。
この、「アサーティブやアサーティブ・コミュニケーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
初めて聞く方は、何のことやらという感じかと思いますが、これは、自己主張の方法の1つです。
私は、このアサーティブ・コミュニケーションこそ、障害者に必要なビジネスマナーだと考えています。
このビジネスマナーのアサーティブを身につけることで、障害者の働きやすい就労環境が作られ、自分も一緒に仕事をする人たちもWinWInな関係になれます。
ここでは、そんなビジネスマナーのアサーティブ・コミュニケーションとは何かを理解して、それをトレーニングすることで、障害者の働きやすい就労環境がどのように作られていくかを解説します。
3つの自己主張
アサーティブネスもしくはアサーション(英:Assertiveness、訳:自己表現・意見表明)は、自他を尊重した自己表現もしくは自己主張のことである
出典:Wikipedia
自己主張には3種類あると言われています。
それは、・アグレッシブ ・ノンアサーティブ ・アサーティブの3つです。
アグレッシブ
アグレッシブは、攻撃的なタイプです。相手の気持ちや考えを尊重しないで自己主張が強い傾向にあります。
アグレッシブな自己主張の人の特徴
- 自分以外の事は考えない
- 表現が利己的
- 表現がきつい(攻撃的)
- 常に自分が王様
- 勝負事にこだわる
ノンアサーティブ
ノンアサーティブは控えめなタイプです。廻りや相手の事を思う、思いやりのある考えを持つ良い所がありますが、それゆえに自分の考えや思いを表現できません。
ノンアサーティブな自己主張の人の特徴
- 物事をはっきりと伝える事が苦手
- 何かにつけ言い訳を考えている
- 他人最優先
- Noが言えない
- 廻りも自分の考え方と同じであってほしいと思うが、口にはしない
アサーティブ
アサーティブは攻撃的でもなく、控えめでもありません。自分の考えや思いは率直に伝える事が出来ます。そして相手の考えや思いを組取る事が出来ます。
アサーティブな自己主張の人の特徴
- 客観的に物事を取り入れ、率直に表現ができる
- 相手の考えや思いを素直に受け入れられる
- 自分の考えや思いを率直に伝えられる
- 相手と考えが違っても代替え案をだし、お互いが納得できるように話せる
このように、自己主張は3つにわかれます。
あなたの周りにも思い浮かぶ方いませんか。
アサーティブ・コミュニケーションとは
ビジネスマナーの1つであるアサーティブ・コミュニケーションは、「4つの柱」から出来ています。
「誠実」・「率直」・「対等」・「自己背菌」この4つの柱です。
この柱が元になり、アサーティブな行動へとなります。
アサーティブ・コミュニケーションとは、ビジネスマナーの1つで誰にも誠実で真摯な態度で責任のある行動をとることです。
コミュニケーションの3例
遅刻してきた若手社員に上司の対応
×アグレッシブな上司
到着するなり、「なにやってんだ!」といきなり怒鳴る。
若手社員は「反感を持つだけ」「周囲も良く思わない」今ではパワハラも。
×ノンアグレッシブな上司
到着するが、上司は「・・・・・」
若手社員は舐める(少しくらいなら遅刻しても別に問題ないのかと考え、遅刻は増え、廻りも同じように考える人が出て、仕事も同じようになり、メリハリのない組織となる)
○アサーティブな上司
- 率直到着すると、上司「○○さん、遅刻ですね。」
- 対等「他の人は遅刻しないで出社できていますけど、何か理由がありますか。」
- 誠実「これからは、遅刻が無いようにお願いいたします。」
- 自己責任「もし、遅刻しそうであれば私に連絡もらえますか。私から他の方には連絡しておきます。そうすれば、私も仲間も心配をしないですむので。」
遅刻は良くないが、理由があるのかもしれない。だけど、これからは遅刻はしないように。もし、遅刻するのであれば私が責任を持って伝えます。そうすることで、皆が心配しなくて良いことを伝えています。
アサーティブ・コミュニケーションの例
残業依頼が突然きた場合
上司:「本日、残業をお願いできますか。」
- 私:本日は、仕事の後に大事な私用の約束があります。率直
- 私:残業が必要なのは理解しますが、以前より計画していた私用なのです。対等
- 私:本日は残業は出来ませんが、明日で良ければ残業は可能です。それではだめでしょうか。誠実
- 私:もしくは、私以外で残業が出来る人を探します。自己責任
出来ない事を伝え代替え案を出しています。
アサーティブ・コミュニケーションに期待する
ビジネスマナーの1つであるアサーティブ・コミュニケーションに期待することは、一方通行ではない解決です。
しかも円満解決です。
- アグレッシブは言ったけど、言っただけ。一方通行(不満解決)
- ノンアグレッシブは聞いたけど、聞いただけ。一方通行(不満解決)
アサーティブ問題がある場合は代替え案を出したり、相手の事を考える事が出来る(円満解決)
不満をもって人が集まっていると、不満因子が溜まっていき、結果良くないことが起きます。
不満は悪くすれば大きなミスや退職にもつながります。
アサーティブ・コミュニケーションで障害者はHappy Life
ここまでで、ビジネスマナーの1つであるアサーティブ・コミュニケーションについてはざっくり解ってもらえたでしょうか。
ここからは、障害者がアサーティブ・コミュニケーションを覚えてHappyになる事です。
障害者が、なぜアサーティブ・コミュニケーションという、ビジネスマナーが必要かというと、障害をOpenにし、個性として周知することで、仕事がやりやすく、体も精神も健康でいられるからです。
障害者は、社会に出るとノンアグレッシブになる方がいます。そして自宅ではアグレッシブであったりします。
それは、ノンアグレッシブの反動なのかもしれません。
それでは、自宅や家庭、友人にまで影響が及び、楽しいHappy Lifeは送れないでしょう。
そして、職場では、不満が溜まっていき、退職になりかねません。
でも、アサーティブな自分でいたとします。出来ない事や難しいことは無理をしないでしっかり伝えて、出来ることを言います。
例えば、発達障害の自分
ロケーション:部の会議の予定を1か月分作成して会議室の予約と出席者にメールを出すようにと口頭で伝えられました。
部長:会議室の件、よろしく。
と、アサーティブに伝えます。
出来ないことや苦手な事は障害特性上仕方がない事です。なので、無理にやって仕事が出来なかったり、そのことで自分が苦しむより、アサーティブに障害上難しい事を伝え、代替え案を出すようにします。
そうすると、廻りの人も障害特性を理解してくれますし、自分も仕事がやりやすくなります。
そして、仕事も上手く回ります。これが、ビジネスマナーの1つであるアサーティブ・コミュニケーションです。
アサーティブ・コミュニケーションのトレーニング
アサーティブ・コミュニケーションは性格には関係がありません。
人は持って生まれた性格が有り、育ってきた環境もそれぞれで個々に違いがあり、最初から誰もが同じコミュニケーションが取れるわけではありません。
それでは、どのようにアサーティブ・コミュニケーションを身につけるのでしょうか。
それは、アサーティブ・コミュニケーションを理解してビジネスマナーのトレーニングをすることでコミュニケーション能力を習得します。
あなたは、今まで業務内容が無理でも言いにくくて我慢したりしていませんか?
ビジネスマナーとしてアサーティブ・コミュニケーションをトレーニングをすれば、自分も廻りも仕事がしやすい就労環境が整います。
もし、あなたが今アサーティブな自分でなければ、これからは自分を変えて行ってみてください。
-追記-
ビジネスマナーとしてアサーティブ・コミュニケーションの研修は無料の物もありますが、しっかり受けるとなると数万円から十数万円もかかる物があります。将来的には、しっかりとした研修を受ける事をおすすめしますが、まずは、アサーティブのビジネスマナーとしての必要性を理解する為に書籍から入っていくことをおすすめします。
障害者の就職と転職ガイドがおすすめする障害者に読んで欲しいアサーティブの書籍を厳選して紹介しています。数ある中でも、この2冊は必読書です。
アサーティブ・コミュニケーションのトレーニングと一緒に自分マニュアルも活用すると働きやすい就労環境を作るのに効果的です。
自分マニュアルは自分を理解し、相手に伝える事を目的としたコミュニケーションに必要なアイテムです。
障害者,自分マニュアルを作成して定着,面接,採用,選考に活かしましょう。