障害者雇用枠では生活できない

障害者は、合理的配慮のある環境で就業することが障害を考えると一番良いのですが、給料が低いと言われています。

そこで、心配なのが「障害者雇用枠の給料では生活が出来ない」と言う事です。

一般枠と障害者枠の働き方には違いがあり、雇用形態と給料に反映します。

障害者枠で働く人で、家族がいる人も自立して一人暮らしの人も、給料が低くては生活が出来ません。
これでは、これから障害者雇用枠を選ぼうか悩んでいる人は心配ですよね。

そこで、今回は当メディアのアドバイザーが、障害者雇用枠の実態と解決方法を解説します。

アドバイザーKアドバイザーK

こんにちはアドバイザーKです。


当メディアの無料個別相談と資料ダウンロードの時にお願いしているアンケートで「障害者雇用枠で生活が出来ないのか実態調査」をしました。

そのデータと生の声の一部を掲載するので、そちらも参考にしてください。

障害者雇用枠では生活ができない実態

障害者雇用の実態まず、障害者雇用枠とは、企業や自治体が障害者が働きやすいように合理的配慮をした採用枠の中の1つです。

一般枠との違いは、採用基準や雇用形態、就業時間、仕事内容、給料などが変わってきます。

では、厚生労働省の資料と当メディアのアンケートから障害者雇用枠では本当に生活が出来ないのか見ていきましょう。

障害者雇用枠の雇用形態

障害者雇用枠の雇用形態
障害者の雇用形態は、「正社員」「契約社員」「派遣」に別れます。
それぞれの違いは、正社員は雇用期間の制限無し、契約社員は雇用期間の制限あり、派遣は直接雇用契約無し派遣会社の雇用になります。

契約社員には、嘱託、無期・有期契約社員、パートやアルバイトなど非正規雇用の社員全てが含まれます。

障害者の雇用形態に派遣もありますが、派遣は企業と直接雇用契約をしません。(障害者雇用のカウントは雇入れの時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれると派遣先でも含まれます。
ですが、紹介予定派遣は派遣先と直接契約をした後、正規か非正規雇用に変わります。

>>【障害者が登録する派遣会社は2社】それよりおすすめは人財紹介会社

厚生労働省発表(2019年)の雇用形態の割合は、次の様になります。

厚生労働省発表に基づく障害者雇用枠

正社員49.3%、契約社員50.3%、無回答0.4%です。
以外と正社員が多いように思われるかもしれませんが、特例子会社(令和2年544社)のフルタイムとパートタイムの正社員雇用率が95.9%あるからです。

一般企業と自治体だけの集計データが無いのでハッキリ解りませんが、私が在籍している企業から算出すると障害者雇用枠の契約社員は9割強だと言えます。

障害者雇用枠の給料の平均と生活費の差

障害者雇用枠の給料と生活費
厚生労働省発表の(2019年6月)データから障害者雇用枠の給料の平均を抽出しました。
障害者雇用全体の給料の平均は146,000円です。

障害ごとの給料の平均になります。

  • 身体障害者平均215,000円
  • 知的障害者平均117,000円
  • 精神障害者平均125,000円
  • 発達障害者平均127,000円

次に、総務省発表の生活費です。

総務省発表の(2019年)家計調査で一人暮らしの生活費の平均額は181,784円で、2人以上の世帯は1世帯当たりの生活費は平均276,671円でした。

これを障害者雇用枠の給料と比べると、一人暮らしの身体障害者(215,000円)がぎりぎり生活が出来るくらいです。

この結果から、障害者雇用枠では生活が出来ないと言う実態が解りました。
でも、これは障害者雇用枠の平均の給料と一般の家庭の生活費の平均を比べただけです。

データだけを見ると確かに生活は出来ませんが、解決する支援や方法はあります。
それを、このあとの「障害者雇用枠では生活できないを解消する支援と方法」で解説していきます。

その前に、アンケートの生の声を紹介するので、そちらも参考にしてみてください。

>>【障害者仕事白書】給料と年収を徹底調査!『いま1番旬なデータ』

障害者雇用枠で働く人のアンケート

障害者の就職と転職ガイドアンケート調査2021
当メディアの無料個別相談を利用した方と書類のフォーマットをダウンロードする時にお願いしているアンケートから有効なコメントだけ抜粋しました。

障害者雇用枠では生活できない生の声

私の会社では、ランチに障害者が集まって食事をする事があります。
そこで話題になるのが給料です。
全員の正確な給料は解りませんが、大体みんな同じくらいで17~18万円前後のようです。
悪くは無いですが、良くもありません。
家族と同居なら良いですが、自立した生活を考えると生活できないですね。
精神障害 20代 女性

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結婚しているのですが、妻のパートと障害年金を合わせても4人家族では生活がギリギリです。
これから子供が進学していきますが、奨学金に頼るしか有りません。
これでは、生活が出来ないとしか言えません。
身体障害 40代 男性


時短で週30時間未満で働いています。
障害年金を受給出来ているので何とか生活が出来ていますが、無ければ生活は出来ません。
蓄えも出来ないので、生活が不安です。
身体障害 30代 男性


聴覚障害で転職を繰り返していますが、どこの会社も給料は安いです。
30代男性で20万円前後では、やっていけません。
配慮のある職場ですが、給料への配慮はいらないな。
身体障害 30代 男性


残業は無く定時で帰れるのは嬉しいのですが、給料が低くて生活ができません。たまには、残業も出来ると言っていますが、残業をしようとすると、帰るようにうるさく言われます。
給料は低いし、残業も出来ないので副業を会社に内緒で始めました。
発達障害 20代 女性


私は、てんかんなのですが発作が出なければ健康体と変わりません。
薬や体調管理で発作もしばらく出ていないのですが、障害者雇用枠で仕事をしているので残業は無くシフトも昼間のみです。
基本給が低いので困っています。
精神障害 30代 男性


障害者でもハイキャリアの人はいます。その人は給料が高いので生活はこまりませんが、ある日突然障害者になったキャリアも学歴も無い僕は、とても生活が出来るような給料も無く、暇な仕事しか有りません。
人生計画なんてとても立てられません。
身体障害 20代 男性


私は、障害者同士で結婚をしました。
子供はいません。
2人とも障害者雇用枠で仕事をしています。
私は時短で週30時間未満です。
パートナーはフルタイムです。
今は何とか生活が出来ていますが、今後のことを考えると転職をしないと難しそうです。
精神障害 30代 女性

障害者雇用枠でも生活できる生の声

障害者雇用枠で10年で3回転職しました。
最初は、経理のアシスタントとしてスタートしました。
転職するたびに経験のある経理を希望して転職しました。
スタートした時は、時短勤務で給料は13万円前後でした。
フルタイムにして少し給料が上がり、その後2回の転職で今は28万円前後になりました。
給料が低いと転職したくなりますが、同じ仕事を続けるのが良いです。
精神障害 30代 女性

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私は、一昨年交通事故の怪我で障害が残り、障害者として働く事を決めましたが、会社に相談したところ同じ部署で同じ仕事に残ることになりました。部署が変わるのかと思っていましたが、そのままで良かったです。給料も変わりません。
企業によって考え方は違いがあると思いますが、理解がある企業を選ばないと、待っていても待遇は変わらないと思います。
身体障害 30代 男性

障害者雇用枠の給料が低い理由

障害者雇用枠の給料が低い理由
障害者雇用枠では生活できないを解消する支援と方法を解説する前に、障害者雇用枠の給料が何故低いのか、その理由を知っておいてください。

理由は、6つ有ります。

  • 時短勤務
  • 業務内容
  • 残業0
  • 地域最低賃金
  • 統計方法

時短勤務

障害者は体調や障害への配慮からフルタイムでは無く、週40時間未満の時短勤務で就業していることもあります。

週40時間未満だと月給では無く時間で換算されるので、給料は通常よリ少なくなります。

業務内容

契約社員の給料は、想定される仕事の内容で変わります。
障害者の場合、アシスタントや軽作業が多く仕事の量も責任も低いです。

なので、給料も少なくなります。

残業0

多くの企業で働く一般社員は残業ゼロは難しく、36協定の中で調整しています。
障害者の場合、合理的配慮という理由で極力残業はありません。

一般社員は基本給が高く残業代がプラスされますが、障害者枠は基本給が低く残業代がありません。

地域最低賃金

障害者も最低賃金が適用されますが、地域によって最低賃金が違います。
東京の最低賃金が、1,013円で、沖縄が792円です。
(2020年10月1日厚生労働省)

また、障害者雇用枠の契約社員の給料は各都道府県の最低賃金をベースにしている企業が多いので地域によっても給料の低さは変わります。

統計方法

これは、統計の出し方です。
全ての障害者が低い給料ではありません。

中には、高額な給料を貰っている障害者もいます。
ですが、厚生労働省の統計では全ての障害者の給料の平均なので、1日2時間のパート、アルバイトや、嘱託職員の給料も一緒にした平均なので低く見えています。

それでは、次ではいよいよ「障害者雇用枠では生活できないを解決する支援と方法」を紹介します。

障害者雇用枠では生活できないを解決する支援と方法

障害者雇用枠では生活できないを解決する支援と方法
全ての障害者雇用枠の人が生活出来ないわけではありませんが、生活が出来ない人や少しでも生活を楽にしたい人への支援や方法があるので紹介します。

支援と制度の利用

まず、5つの公的支援と制度です。

  • 障害年金
  • 生活保護
  • 特別障害者手当
  • 障害者控除
  • 障害者就業支援センター(なかぽつ)

障害年金

障害年金は、一定の条件に当てはまる方が受給できます。
加入している年金によって変わり、国民年金は「障害基礎年金」で、厚生年金は「障害厚生年金」が加算されます。

障害基礎年金

年金加入者は障害基礎年金の1級と2級の受給申請ができます。

障害厚生年金

厚生年金に加入している間に、障害者になった1級、2級の人は障害基礎年金に上乗せして受給の申請が出来ます。また、3級の人も申請が出来ます。

その他、3級に満たない方も初診日から5年以内に病気やケガが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。

条件
  • 国民・厚生・救済年金に加入している間に初診日があること
  • 公的年金の加入期間の2/3以上の保険料が支払い済みであること
  • 初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

*障害者手帳に書かれている級とは違います。

出典:日本年金機構

障害年金は受給するまでに時間が掛かったり、書類不備で申請を却下されることも多いので、お近くの社労士に相談をされると良いです。

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社労士によって、手付け金有り無しがあるので、よく確認をする様にしましょう。

生活保護

生活保護は、障害に関係なく経済的に困っている人に自治体が支援をします。各自治体の生活保護を担当している課に受給が可能か相談をしてください。

特別障害者手当

身体障害者・精神障害者・発達障害者が重度の障害で、日常生活で常時特別な介護が必要な人に支給されます。

  • 申請:お住まいの市区町村の役所
  • 年4回の支給:5月8月11月2月
  • 支給額:26,940円/1月

障害者控除

障害者の収入によって税の負担を軽減します。
対象は、家計が同じ家族です。

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軽減される税は所得税や住民税、相続税などです。
相談はお住まいの市区町の自治体に御相談ください。

障害者就業支援センター(なかぽつ)

障害者就業・生活支援センターとは、障害者の生活と仕事を総合的に相談が出来る機関で、国と都道府県から事業を委託された法人が運営しています。

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現在は、全国に336設置されています。
障害者は、生活や仕事だけでなく困ったら何でも相談が出来ます。

ネットで障害者就業・生活支援センター+○○県で検索すると閲覧できます。

通称「なかぼつ」について

障害者就業・生活支援センターが「なかぽつ」と言われる理由は、障害者就業と生活支援センターの間に・があるので「なかぽつ」です。

副業

障害者雇用枠の給料だけでは生活が出来ない時、収入を増やすのには副業が手っ取り早いです。
ただし、しっかり選ばないと無理から体調管理が出来なくなり本業までダメになります。

時間や収入など目的を明確にして選ぶ事がコツです。
当メディアの副業の記事を参考にしてみてください。

>>【実践】障害者の僕が推薦する11の副業を紹介と『その先』

人財紹介の利用

障害者雇用枠の転職障害者雇用枠で生活が出来ない場合、根本的に変えるのには条件の良い仕事に転職する必要があります。
ただし、むやみに転職をしても失敗する確率が高いです。

障害者の転職が失敗しないで成功する為だけに書かれた記事です。参考にしてみてください。
>>7つの障害者の転職エージェントとサイトを比較評価したおすすめランキング

そもそも、障害者の転職は難しいと考えている人はこちら記事も参考にどうそ。
>>障害者の難しい就職・転職を成功させる方法

就労移行支援の利用

安定して仕事を続けられないとか、障害者として再就職を考えている人で、まず働く事に不安がある人は、働く準備からスタートする方が良いでしょう。

就労移行支援は殆どの人が2年間無料で利用が出来ます。生活保護を受給しながら就労移行支援で準備を整えられると良いスタートが切れます。
>>【就労移行支援おすすめランキング10選】あなたにピッタリが見つかる

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就職に有利な情報も入手できますよ。

最後に

如何でしたでしょうか。
障害者雇用枠では生活が出来ないのか、実態と解決方法を見てきました。

全ての障害者雇用枠の給料が少ない訳ではありませんが、一般枠と比べると少なく時短勤務など働き方によっては生活が出来ないかぎりぎりの場合があります。

これでは、障害を隠して一般枠で働く方が良いと考える人もいるでしょう。
でも、長い目で見るとあなたに合っている環境で長く働ける方が安定して健康で幸せな時間を送れるメリットがあります。
給料が良くても体調が悪くなるのでは、長く続かないですからね。

しかし、障害者の安心安定した生活は、やはりお金がないと不安になります。
なので、障害者雇用枠で働く事を選んだあなたは、ここで紹介した支援を最大限に活用して下さい。

私は、思い切って根本的に環境を変えるように転職をするのも良いと思います。
同じ職種でも企業によって給料が違いますし、障害者の給料が上がるタイミングは転職が一番多いからです。

生活が出来ないと悩んでいる人は、まずは求人の給料の確認だけでもしてみると良いですよ。
>>7つの障害者の転職エージェントとサイトを比較評価したおすすめランキング

今回の記事は、ここまでです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

当メディアは、1人でも多くの障害者が安心安定した生活が送れることを応援します。

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