障害者の面接の志望動機はとても重要です。どうして自社に入りたいのか面接官に直接伝えることが出来るアピールの場です。これが失敗だと面接も失敗になります。とても大事な事なので、面接の前に志望動機はしっかり作り込んでおきましょう。
この記事の監修は、編集部で行っています。
*【編集部紹介】障害者の就職と転職ガイド編集部紹介
障害者の面接で志望動機を聞く理由
障害者の面接で志望動機を聞く理由は、候補者が「長く働いてくれるか」を確認したいからです。
障害者を雇用する企業は、他にも沢山あるのにどうして自社を選んだのか明確な理由が必要です。それが、適当だと「別に自社で無くても良いのか」とか「数ある求人の中から取りあえず応募しただけか」と取られ「採用してもすぐ辞めてしまうな」と思われてしまいます。逆に、どうして自社を選んだのか明確になっていれば、「本気で自社を選んでくれたんだな」と納得し、すぐに辞める事は無いだろうと判断します。
このように、面接で聞かれる志望動機はとても大切です。障害者の志望動機は一般の志望動機よりちょっと難しくて職やスキルにからめた動機と障害に関わる動機を伝える事が出来れば入社に近づきます。
障害者の面接の志望動機の作り方
それでは、障害者の面接で話す志望動機の作り方を解説します。作り方は3つのステップで考えていきます。
志望動機の作り方:ステップ1
まず、障害としっかり向き合い障害を考慮した自分の目標や将来の自分を明確にします。これは、ものすごく詳細に決まってなくても良いですが、自分の強みや得意なことを活かせた5年後10年後の自分の働いている姿を思い描いてください。
志望動機の作り方:ステップ2
次に面接を受ける会社の業界や今回募集している職種と障害者の採用実績や取り組みについて情報を収集します。
志望動機の作り方:ステップ3
最後に「自分の強みや得意なことが活かせる」ことと「障害者採用への取り組み」から、「私が5年後10年後に働いている姿は、この企業しかない。」と作り上げます。
これが、障害者の面接で話す志望動機の作り方です。障害と向き合い自分の出来ることを活かした志望動機なので、面接官も納得できる内容になります。
障害者の面接の志望動機の伝え方
志望動機が作れても、面接で上手に伝えられないと面接官には届きません。最悪「コミュニケーション力が足りない?」と判断されるかもしれません。そうならないように、上手に伝える方法を覚えましょう。
障害者の志望動機は結論から話す
面接官に解りやすく伝える為に、まず結論から話します。最初に説明をだらだら話すのではなく、まず結論から話してどうしてその結論に至ったかを論理的に話すのが結論が強調されるので伝わりやすいです。
付け加えて実際に入社できた時の働いている姿を面接官が想像できるような「もし入社できたら○○に取り組んでみたいです」などと話をすると良いでしょう。
入社意思は言葉にしないと伝わらない
志望動機が上手く作れて、論理的に話せたとしても「入社したい!」という意思表示は言葉にしないと伝わりきりません。
障害者の採用は、面接で合格ラインを越えた候補者は学歴やキャリアやスキルに関係なく確実に入社してくれそうな人を選ぶことが多いです。
なので「絶対に入社したい!」と言う気持ちを込めて「御社に入社したいです」と口に出して熱意を伝えましょう。
障害者の良い志望動機とNG
障害者の面接の良い志望動機とNGな志望動機を紹介します。
良い志望動機
まず、良い志望動機です。
経験者の志望動機
私が御社の求人に応募した志望動機は、今後長く働けるビジョンがあると思ったからです。理由は、私は人事や総務での一般事務の経験が長くそれを活かせる仕事をしたいからです。それから、御社における障害者の採用実績と障害への理解を深める活動を知り、この会社でなら障害の有る私が長く安定して会社に貢献できると思ったからです。
この回答のポイントは、経験者の実績と長く働ける根拠です。実際には、もっとリアルな企業名や職歴(年数)等を加えると更に説得力のある回答になります。
未経験者の志望動機
私が今回応募した志望動機は、前職で事務補助をした経験があり興味を持ちました。今まで事務職の経験が無いので今回の応募までに必要なスキルを調べてExcelやWord、PowerpointのMosの資格を取得しました。現在は日商簿記3級の資格を取得する予定で勉強をしています。即戦力として足りないところもあると思いますが、入社できたら毎日自分を進化できるように努力して戦力として活躍できるようにしてまいります。
この回答のポイントは、未経験者を採用する不安を取り除く根拠です。資格や経験を盛り込み伝える事で面接官に働く姿を想像できるようにしましょう。資格がない場合は素直に、経験はありませんがこれから経験を積み5年10年後にはスペシャリストを目指す道筋を伝えましょう。例えば、年内にExcelのMOSをめざし、3年先までには日商簿記3級を目標にしています。等でも良いでしょう。気をつけることは、応募した職種と関係のある資格でないと意味がありません。
障害者として初めての転職の志望動機
今回応募した志望動機は、ノウハウのある前職と同じ業界で障害と向き合いこれから事務職を自分の仕事として行くためです。私は、障害者になる前は営業職でしたが続けるのが困難なのでデスクワークに変えます。その取りかかりとして、まず事務アシスタントを選びました。将来的には一般事務として御社で活躍できるように頑張ります。
この回答のポイントは、経験のある業界で障害と向き合い自分の出来る仕事をすることを伝える事です。強みは業界を知っていることと、障害にしっかり向き合っていることを伝えることで、面接官は、障害者として初めての転職でも安心して採用できると思います。
精神障害の人の志望動機
私が、今回の求人に志望した動機は、主治医から許可が出たのと私自身社会復帰ができると感じているからです。日常の生活リズムが計画的に行え、睡眠も決まって取れています。体調も良く食欲もあり運動も毎日決まった時間に出来ています。この体調であれば、前職まで経験のあるこの仕事を頑張れると考えています。
この回答のポイントは、精神障害が安定していて主治医から就業許可が出ている事です。見た目では解りにくいので健康だと専門家のお墨付きがあることで面接官は働けるか判断をします。このとき希望であれば時短勤務もしっかり伝えましょう。最初にハッキリ伝える事で自分をしっかり理解できていると思われ高評価になります。また、入社後も働きやすい環境が整えられます。
発達障害の人の志望動機
この求人への私の志望動機は、発達障害への理解がある御社であれば自分の得意な分野で活躍できると思ったからです。以前の私は、自分の障害を理解できていなくて得意なことや苦手なことが解っていませんでした。ですが、就労移行支援を利用して、自分の取り説を作ることで自分の障害特性を知り、その対策が出来るようになったので、自分の得意な数字を扱う経理で貢献できると考えています。
この回答のポイントは、自分の障害特性を知り得意なことと苦手なことが解っていて対策が出来る事です。就労移行支援を利用しなくても、取り説を作って持参して面接官に見てもらう事で採用への良い判断材料になります。
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身体障害の人の志望動機
私が今回応募した志望動機は、障害への理解がある環境で私の希望する職種だったからです。御社の採用実績とダイバーシティへの取り組みから、ここでなら長く安定して自分のやりたい仕事が出来ると考えています。
この回答のポイントは、採用実績と求人が自分に合っていることを伝える事で、実際に働く姿を想像してもらうことです。障害者全体では無く、自分と同じ障害の採用実績が多い方が、面接官は採用しやすいと思う傾向にあります。逆に採用実績が無かったり少ないと面接官が採用に躊躇する傾向にあります。
知的障害の人の志望動機
私が今回志望した動機は、御社の知的障害の仕事の体制が整っているからです。マニュアルやチェック体制などがあればミスが少なく出来る事を、前職や学生の時の実習で習っています。御社には、リーダーがいて管理がしっかり出来ているので、この体制であれば私も安心して仕事が出来ると考えました。
この回答のポイントは、仕事をするための体制を理解していることです。また、それを経験していることで、1からではなく戦力として採用できると思ってもらえれば成功です。
NGな志望動機
NGな志望動機には、考えられないような志望動機もあります。間違っても同じような回答をしないように例を紹介します。
本当に志望している?
勉強熱心をアピールする
障害の配慮だけにこだわる
興味があるのは待遇だけ
立地条件のみ
将来独立したい
意味不明
奇をてらった
一人で志望動機を考えられない場合
ひとり一人、障害や特性も違うし今まで生きてきた背景も違うので、志望動機をは個々によって違うのは当たり前なのですが、面接官が納得できる良い志望動機を作るのは結構難しい方もいます。
また、自分では良いと思っている志望動機が他の人から見ると良くない事もあるでしょう。
志望動機は、面接ではとても重要な部分です。面接官にどうして自社なのか論理的に伝える事が重要です。
もしも、一人で考えるのが難しいとか、不安な方は相談をして作成しましょう。相談をするのはエージェントが良いです。応募に関して全ての相談が無料です。
大事な志望動機は、エージェントで解決できます。当メディアに障害別や地域別など色々な条件で利用するエージェントを紹介する特集があります。参考にしてみてください。