国家公務員の障害者枠の倍率から考察する試験対策と応募年齢の制限

コロナ禍の2020年は、障害者枠の国家公務員の採用試験は見送られましたが、2021年以降いつでも対応できる様に対策はしておきましょう。

令和元年度試験結果を反映しました。
約4,000人が不足する国家公務員の障害者枠ですが、第1回目の採用では676人でした。

第2回目の採用数は全体で244人です。
これを合計しても、920人で4,000人にはほど遠いです。

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このことから、今後も毎年国家公務員の障害者枠は募集されていくと思いますが、倍率がやばい事になっています。通常の国家公務員の試験の倍率よりかなり高い所もあります。

なので、その辺は障害者枠の国家公務員試験を受ける前に良く理解して対策をしないと合格は出来ないでしょう。

と、いう事で、第1回と第2回の障害者枠の国家公務員の申込者数と最終合格者の統計を基に対策について解説をしていきます。

ちなみに、障害者枠の国家公務員に応募できる年齢制限は、毎年17歳から59歳までです。

-記事を読む前に-

  • 名目倍率=出願者数÷募集人数
  • 実質倍率=出願者数÷合格者数

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ここで使われている数字は人事院の発表を基に加工しています。


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初任給と手当

最初に、障害者枠の国家公務員の初任給と手当についてです。

初任給

2019年4月1日採用

行政職(一)1級5号俸 147,100円


この金額は基本であって、前職などの経歴によって増額されます。

手当

扶養手当 扶養親族のある者に、子月額10,000円等
地域手当 民間賃金水準の高い地域に勤務する者等に、最高で俸給等の20%(東京都特別区の場合)2
住居手当 賃貸のアパート等に住み、家賃を支払っている者等に、月額最高27,000円
通勤手当 交通機関を利用している者等に、定期券相当額(1個月当たり最高55,000円)等
期末手当・勤勉手当 1年間に俸給等の約4.4月分(ボーナス)
※勤務時間は原則として1日7時間45分

第1回の障害者枠の国家公務員の結果を見る

第1回の障害者枠の国家公務員の結果から、えげつない倍率が出ました。
一般の国家公務員の倍率から見ても高い方に入ります。

名目倍率 12.8倍
申込者数 8,711人
採用数 676人

試験の区分と採用予定数と申込数の内訳

採用予定数(人) 申込者数(人)
北海道 43 378
東北 48 403
関東甲信越 328 4,033
東海北陸 58 729
近畿 68 1,483
中国 37 357
四国 26 261
九州 51 176
沖縄 17 176
676 8,711

このうちの障害の内訳

身体障害者 39.5%
知的障害者 3.2%
精神障害者 57.4%

グラフ

公務員の障害者枠の障害別資料グラフ

試験結果

実質倍率 11.5倍
申込者数 8,712人
採用数 754人

この第1回目の国家公務員の障害者枠の名目倍率と実質倍率から見ると、かなり狭き門だという事が分かります。
その中でも関東甲信越はまじでやばい。

関東甲信越:採用328人に対して4,033人の申し込み者数です。
名目倍率は12.3倍です。

さらに近畿は、もっとやばい
近畿:採用68人に対して1,483人の申し込み者数です。
名目倍率は21.8倍です。

第2回目の採用予定数の確認

採用予定数は全体で248人です。
名目倍率は、18.44倍です。前回より高いです。

試験の区分と採用予定数

採用予定数(人)
北海道 12
東北 13
関東甲信越 127
東海北陸 21
近畿 28
中国 14
四国 8
九州 17
沖縄 8
248

前回の採用予定数より64%ダウン

注目現在、まだ応申込者数が確定されていないので実質倍率は分かりませんが、採用数の減少から今回の方が高くなると予測されます。おそらく3倍~4倍になるかもしれないと思ったほうが良いです。

今後も採用予定数は同じか、それ以上と予測されます。

第2回目試験結果

New

採用予定数 申込者数 1次選考通過数 最終合格者数
北海道 12 238 43 13
東北 13 222 55 18
関東甲信越 127 1,966 421 116
東海北陸 21 403 70 22
近畿 28 794 105 26
中国 14 218 53 15
四国 8 115 27 9
九州 17 511 57 17
沖縄 8 107 27 8
248 4,574 858 244

結果から見ると採用予定数より多く採用したところもありますが、届かなかったところもあります。
トータルすると、採用予定数に4人足りませんでした。
実質倍率は、前回11.5倍に対して今回は18.75倍でした。

ここで更に注目するべきことがあります。

注目それは、1次選考通過者数の数です。
そして、それに対して最終合格者数が凄く少ない事がわかります。

第1次選考通過者の決定方法についてはこの記事の最後に書いてあります。

『ここだいじ!』
このことからわかること

  • 基礎能力試験の高得点者は多い
  • 2次選考が難関になっている

国家公務員の障害者枠を名目倍率から対策

第1回の名目倍率から対策を考えます。
全体では、名目倍率12.8倍でした。
ですが、近畿では名目倍率は21.8倍でした。

一方、低い倍率の所もあります。
まあ、低いと言っても一般の公務員の倍率から考えると高めなのですが、それでも近畿などと比べると低いという事です。

採用予定数 申込者数 名目倍率
北海道 43 378 8.79
東北 48 403 8.39
関東甲信越 328 4,033 12.29
東海北陸 58 729 12.56
近畿 68 1,483 21.8
中国 37 357 9.64
四国 26 261 10.03
九州 51 176 3.45
沖縄 17 176 10.3
676 8,711 12.88

これで、見ると地方によっては倍率が下がります。
倍率の高い所を避けて、低い所を狙うのが採用試験に合格するための良策です。

九州いいですねー

引っ越しも視野に入れておくと合格の幅が広がります。

申込者の障害の内訳から見る対策

次に国家公務員の障害者枠に申し込んだ障害別の資料から対策を考えていきたいと思います。

公務員の障害者枠の障害別資料グラフ

これから見ると、精神障害者の申し込みが半数を超えています。
採用する側から考えると、どの障害からも採用をすると考えられます。

そうすると、精神障害者はこのただでさえ高い倍率から、更に難関になると予測されます。
そうなると、試験の対策を万全にしなければ採用試験に合格できません。

第1回目の国家公務員の障害者枠の申込者数8,712人に対して合格者数が754人というのは、随分低いと思います。
第1回ということもあって、対策をしっかりしていなかったのではないかと思われます。

しかし、次回からは恐らくそうもいかないかと思います。
多くの人が対策をしてくるでしょう。

それを考えると、国家公務員の障害者枠の採用だとなめてかからないで、精神障害者は国家公務員専門の試験対策を取っておかないと合格がますます難しくなります

障害者枠国家公務員試験対策

改めて調べてみて、思った以上に難関の国家公務員の障害者枠の採用です。
倍率が高いですね

でも、これで終わりではありません。
第2回目の採用>数を足しても、国家公務員の障害者枠の人数は920人です。
これは今後第3回、第4回と毎年国家公務員の障害者枠の採用を繰り返すことを裏付けています。

『ここだいじ』
第2回目の採用はもう終わりましたが、第3回以降の試験は既に始まっています。
合格するためには、試験対策を人より早くから取り掛かり、人より長くやる事で効果が出ます。

勉強のしすぎという事はありません。第3回目の来年度の合格を狙うのであれば、早く取り掛かりましょう。

試験内容1次試験の内容は、国家一般職基礎能力試験と作文試験にになります。
基礎能力試験
全30題
時間1時間30分
【知能分野15題】

  • 文章理解
  • 課題処理
  • 数的処理
  • 資料解釈

【知識分野15題】

  • 自然科学
  • 人文化学
  • 社会科学

作文試験
1題

  • 時間50分

以上が1次試験の内容です。
基礎能力試験の内容を確認したい人は、「人事院の採用情報NAVI」の試験問題例から確認できます。
人事院の採用情報NAVI試験問題例

これに合格して、2次選考の人物試験に進みます。
2次選考は、各府省の採用予定機関において個別面接等を実施します。

1次選考について

第1次選考通過者の決定方法
(1)基礎能力試験(多肢選択式)については、正解数を得点とします(合計30題のため満点は30点となります。)。
(2)作文試験については、得点を算出せず、合否の判定のみを行います。

基礎能力試験が原則として満点の30%以上である者のうち、作文試験に合格した者について、基礎能力試験の得点の上位から第1次選考通過者を決定します。

(なお、合格者は、第1次選考通過者を対象にした各府省の採用予定機関が実施する個別面接等(第2次選考)の結果に基づいて決定されます。)

出典:人事院NAVI

と、言うことは

最重要

  • 1次選考の基礎能力試験の高得点はあたり前
  • 2次選考の人物試験(面接)が凄く大事

となります。

アドバイザーKアドバイザーK

上の試験内容確認してみましたか?
もしも、まだであれば一度見てみてください。
その時、少しでも難しいと感じたなら早めの対策が必要です。
過去問:人事院の採用情報NAVI試験問題例


1次試験の内容は、国家一般職基礎能力試験と作文試験にになります。
障害者枠のこの就職は倍率が高く非常に難関です。
倍率も高く難関な試験には、必ず対策が必要です。
対策は、一般職基礎能力試験だけでなく作文と2次選考の面接も必須です。
特に2次選考の人物試験(面接)を重要視している傾向にあります。

ここ注意一般の総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)や一般職試験(大卒程度試験)でも人物試験が重要視されている報告が続いています。

面接(人物試験の対策)

一般職基礎能力試験は、書店やアマゾンで探せば良い対策の本が有ります。
ですが、一番重要視をしている人物試験は本では対策は出来ません。

人物試験は面接です。
そこで、当サイトのアドバイザーで現役の企業のベテラン面接官から面接対策のアドバイスです。

最初に基本です。

人物試験の基本話はシンプルに

一番悪いのは何を話したいのか解らないことです。
能書きが多くならないようにシンプルに伝える事に努力しましょう。

では、対策のポイントです。

  • ステップ1
    モチベーション
    凄く高い目的意識を答えようとしなくても良いですが、公務員を目指す動機はしっかり伝えられるようにしましょう。
  • ステップ2
    自己分析
    学生、社会人を通して自分の中にある成功体験や記憶に残る楽しかったシーンをピックアップして見ましょう。そこから自分の強みが出てきます。どうしても出てこない人は無料で公開しているリクルートの自己診断を利用しましょう。リクルート公式:無料自己診断
  • ステップ3
    志望動機
    ここは難しい所だと思いますが、自己診断で出た結果を繋げます。自分の強みを社会で役立たせて貢献すると言うことで筋が通ります。
  • ステップ4
    具体的な取り組み
    具体的と言われると、とても難しく考えるかも知れませんが、入庁してみないと仕事の内容なんてわかりません。ここでの具体的というのは今後のキャリアデザインとして考えると良いです。これがしっかり話せるように考えを整理しておく事が必要です。

面接の対策は、本当は模擬で慣れることが一番なのですが、それが中々難しいです。
誰か、パートナーがいれば、上で書いたポイントのステップ全部を盛り込んで模擬を繰り返すのが有効です。

面接当日に緊張しない事と、ポイント4つを冷静に伝えられることが大事です。

ポイント

  • モチベーション
  • 自己分析
  • 志望動機
  • 具体的な取り組み

面接の模擬をするのが難しい場合は、上で書いたポイントをノートに箇条書きで良いので何度も書いて読んでみます。
おかしいと思うところがあれば修正して何度も読みます。

原稿を見ないでノートなどに書き出せることが出来れば頭に入っています。
ただ、対面の慣れが無いので緊張が心配です。

そう言う場合は、自信を付ける為にも無料セミナーに参加するのが良いですよ。
セミナーを受けたことで自信と安心に繋がり緊張しないで平常心で面接当日に望めるようになります。

まとめ

基礎能力試験は本でも対策できるかも知れませんが、一番重要視される人物試験(面接)は本では対策できません。

この試験は倍率が本当に高いので、1回で合格を目指すのなら専門に対策を教えている講座の受講がおすすめです。

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