障害者の転職回数と理由
人事部Mさん人事部Mさん

企業で障害者採用を担当しています。アドバイザーのMです。

最近、転職エージェントからの相談で障害者の転職回数について相談がありました。

転職エージェントの名前は出せませんが、相談内容が重要と感じたので、これを読んでくれている同じことで悩んでいる障害のある方に向けて書きます。

転職は、悪い事ではありません。ただし、間違った転職は自分にとって良くありません。

この記事ではこんなことが分かります。

  • 企業が障害者の転職回数と理由をどうみるか
  • 転職回数の多い障害者の履歴書と面接の対策

企業の人事は障害者の転職回数と理由をどうみるか

転職回数とその理由は重要です。
応募書類が送られてきたとき、転職回数と理由は判断材料のひとつになります。
もし、順位をつけるのなら、障害者の場合1番2番に重要です。

書類だけでは人柄が分からないので、書かれている事だけで判断をするからです。
その時に重要になるのが、転職回数とその理由です。
履歴書全体の書き方については、記事最後に用意しました。

転職回数は採用を左右するか

転職回数が多いと採用されないかというと、そうでもありません。

先天性の障害でない場合、障害者になる前と後の転職回数はどう見るのかという質問もありますが、答えは全体を見ます。
仕事を始めてから現在までの転職回数と理由と、その間のブランクを見ます。

転職回数と年齢の関係

転職回数が採用に直接左右はされませんが、転職が5回目でも採用される人もいますが、3回目でも採用されない人もいます。

採用されない理由に直接年齢は関係ありませんが、40代で5回目と、20代で5回目の転職の場合では多少変わってきます

例えば、1つの障害者の募集に29歳と49歳の障害者から応募があったとします。

履歴書には2人とも20歳から働き始めたと書かれています。
どちらも、転職は5回目です。

この場合、転職だけを判断材料に考えた場合、あなたならどちらを選びますか。
若いから、29歳と答える人もいるでしょう。
ですが、20歳から働き始めて、まだ10年たっていないのに5回は多いと見ます。

一方、49歳の方は働き始めから数えて29年の間に5回目の転職も少なくはありません。
人事としては、この場合どちらも採用したくないのが本音ですが、今回の条件だけで判断をするとなると、49歳を採用します。

ここでは、年齢より一か所の仕事に長く務めたか、今後も長く務める意志があるのかという所がポイントになります。

ですが、この2人しか応募が無くて、必ずどちらかを採用するという場面を仮定した場合に限ります。

『ここだいじ!』
転職回数に年齢は関係ないが、働き方が判断材料にはなる。

注意:多くても5回、それ以上は何らか問題が他にあると判断されます。
しかし、29歳5回目でも、49歳5回目でも採用されます。

転職回数が多くても採用されるわけ

履歴書に書かれた判断材料だけでは、上のような結果になりますが、問題なく両者とも採用される場合もあります。
それは、履歴書の書き方です。

履歴書の転職部分の理由はこのように書くと良い

履歴書に記載する欄が無い場合は、職務経歴書に書いてください。

職務経歴書でも書く欄が無かったり、書き込めない場合は、別途添付しても良いです。

履歴書に書き込みする内容は、転職の明確な理由です。

基本自分本位な理由は良くありません。
それなら仕方ないと思わせるような理由が必要です。
ですが、理由を書いても、あまりに簡単ではだめです。

『ダメな理由の例』

  1. ほかの企業の方が条件が良かったから
  2. 他にやりたいことがあったから
  3. 人間関係 上司や周りの人とあわなかったから
  4. 障害への配慮が無かったから
  5. 仕事を選ぶ自由は権利だから

『解説』
どの理由も説明不足です。
3.4.5は良さそうにも思いますが、これだけでは少し足りません。
納得いく説明が足りません。

理由を補足してみます。

1.ほかの企業の方が条件が良かったから
前職に、最初は良いと思い入社したが、加齢により障害が悪化したので、自宅近くで働きたいと思った。(ここでなら働ける医師の診断書などが有効)

2.他にやりたいことがあったから
昔から夢があり、一度は挑戦してみようと思いやってみたが、挫折した。(挑戦して得たものが何か明確にする。失敗でも良い。)

3.人間関係 上司や周りの人とあわなかったから
人間関係が上手くいくように、色々と考えて実行したが、それでもうまくいかず修復がいかなかった。(自分の原因は何だったのか理由もつける。)

4.障害への配慮が無かったから
障害への配慮として、企業側に提案したかしないか。提案をして何を受け入れてもらえなかったか。今後仕事をする場合何の配慮が必要か明確になっている。

5.仕事を選ぶ自由は権利だから
仕事を選ぶ自由は権利だからは、補足がありません。完全NGです。
確かに、仕事を選ぶ自由はありますが、他に行きたいところが出来たら、そっちに行きます。と明言しているのと同じです。

ここだいじ!
転職理由を丁寧に書くことがポイントです。転職回数も理由がしっかりしていれば、特に問題はありません。
あと、理由が何だとしても、解決が出来ていることが条件になります。

誰にも平等に権利はありますが、ここでは仕事を選ぶ権利はありますは、思っているだけで出さないようにした方が良いでしょう。

採用する側の立場になって考えることが必要です。

自分だったら採用しないだろうなと思うような内容は完全NGです。
とにかく、内容を丁寧に書くことが大切です。

-注意-
以前転職理由をA4のレポート用紙に3枚書いて提出した方がいましたが、あまりに長いのもNGです。

面接対策は本番でも転職理由を間違わないで言うこと

面接に進めば、面接官は必ず応募書類の履歴書や職務経歴書を見ながら転職について質問をしてきます。

その場合、送った書類の通りに理由を話して下さい。
万が一、間違った説明をすると嘘かと疑われてしまいます。
メモ帳に転職理由を書いておいて、それを見ながら話してもいいです。

その時は、面接官に一言「緊張しているのでメモを見てもよいですか」と言えば大丈夫です。
メモを持参していて、一言いう事で用意が出来ていると評価も上がります。

ここだいじ!
転職の理由は、メモを読んでもいいから、応募書類の内容と同じ説明する。

まとめ

障害者枠の転職は、一般枠の転職よりはハードルが低いです。
だからといって、どの企業も誰でも採用するわけではありません。

転職した理由を考えてみてください。
辞めた理由を企業のせいにしていませんか。

5回6回7回の転職を、短期間でしている人を簡単に採用するのは、企業の「誰でもいいから、法定雇用率が達成していればいい」という考え方があるからです。

転職の理由や今後の働き方を柔軟に考えられない、浅はかな考え方の企業だから、あなたは嫌になり転職を決意したのではないですか。

でも、そもそも、そのような企業を就職先に選んだ自分にも問題がある事を忘れないようにしましょう。しっかり企業を選んで就職をしないと、また転職回数が増えます。

そうならないように、誠実で障害者の方を向いている企業の情報を転職エージェントは持っています。
転職エージェントのカウンセラーはひとりひとりに寄り添って、あなたの就職をサポートしてくれます。

ですが、転職エージェントもカウンセラーも神ではありません。
間違う事もあるだろうし、人によってもカウンセリングが違う事もあります。

なので、何か自分が納得いかない場合や合わないと感じた時はカウンセラーを変えてもらうようにしましょう。

直接は言いにくいと思いますので、メールで依頼しましょう。
カウンセリングする部屋は個室になっているので、以前のカウンセラーに合う事もないので気まずい思いをすることもありません。

また、ひとつの転職エージェントだけでなくセカンドオピニオンとして複数の転職エージェントのカウンセラーからカウンセリングを受ける事が大事です。

転職エージェントはどこも無料で利用できるので、カウンセリングを複数受けてください。

ここだいじ!
自分の大切な将来がかかっています。
この記事で上げた、転職理由について転職エージェントのカウンセラーと相談をしてみてください。

登録していない障害者の転職エージェントがありますか。
全国対応のおすすめのエージェントです。
どのエージェントも無料で利用できます。

ランスタッド公式サイト
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