アドバイザーのKです。
本職は、某企業の障害者採用を担当しています。
当メディアの車椅子ユーザーのライターから、結婚について相談がありましたので、今回の記事はそれを元に書きました。
内容は、車椅子生活で結婚して幸せになる為に就職や転職して仕事を探す方法についてです。
いくら、愛があっても金がないと何も買えません。
飯も食えません。
それでは幸せではありません。
なので、本当に幸せに生活できる結婚をするための仕事の探し方について書きました。
車椅子で出来る職場環境と仕事
まず最初に、車椅子で出来る仕事だけで言えば、座って行える仕事であれば特に制限はありませんが、その他に整った環境が必用です。
また、それ意外にも上肢に麻痺があったり、体幹や消化器系への配慮を要する場合もあります。
今回、ここで解説する職場環境や仕事が、全ての車椅子ユーザーに推薦出来る環境ではないことをご了承ください。
車椅子に望ましい職場環境
車椅子ユーザーにとって、仕事をするのに職場の環境はとても大事です。
考えられる環境だけでも、次の11は必用です。
- オフィス内通路幅の確保
- バリアフリー
- エレーベーター(出来れば車椅子優先)
- 多目的トイレ(Multifunction Toilet )
- 高さ調整可能な机
- IDカード(通行証)読み取り位置の場所
- OA機器(高さが低い物か個人専用に設置)
- 車通勤可
- 避難用の装置(階段昇降機や、担架、サポーター制度など)
- 在宅ワーク
- 定期通院制度
一つずつ、車椅子で必用な仕事環境について解説します。
オフィス内通路幅の確保
オフィス内には、段ボールや紙類などが机の横などに山積みにされていて、整理が出来ていない環境は良くあります。
車椅子を利用していない人には何でもありませんが、車椅子の利用者には通路が狭かったり崩れたりして、とても利用しにくい通路になっていることがあるので、常に整理されて利用しやすいオフィス内の通路の確保が必用です。
バリアフリー
エントランスや共同で利用する場所はバリアフリーのところが増えていますが、オフィス内の部屋ごとの仕切りに段差があるところがあります。
建物の躯体自体に加工は出来ませんが、何らかの措置が必用です。
エレーベーター
エレベータは、複数機あれば特に問題はないと思いますが、車椅子の利用者にとってはエレベーター内の場所を取るだけに、肩身の狭い思いをします。
そうならなうように、車椅子優先だとか業者専門のエレベータを利用出来るとかの配慮が必用です。
多目的トイレ
オフィスが入っているビルで出来るだけ近い階に、利用が出来る多目的トイレがあるか確認をしておく必要があります。
この時必用なのが、トイレの内のレイアウトです。
ボタンの高さや、手すりの位置など良く確認をしておく必要があります。
トイレごとに、レイアウトが違うので、いざ利用しようとしたら使えないなんて事もあるからです。
高さ調整可能な机
車椅子ごとに高さが違ったり、利用者の座高に合わせる必要があるので、細かく高さ調整が可能な机が必用です。
IDカード(通行証)読み取り位置の場所
車椅子ユーザの高さに合わせた低い位置に、ID読み取り用のリーダーの設置が必用です。
OA機器(高さが低い物か個人専用に設置)
業務用のプリンターなどは、立って作業がしやすい高さに設定されているので、車椅子ユーザーには高すぎます。
車椅子の頻繁な移動が難しい人もいるので、自分の机か近くに専用のOA機器が必要です。
車通勤可
マイカー通勤が出来ると、電車やバス通勤のストレスが軽減されます。
車椅子の通勤は、朝夕のラッシュ時は時間と体力が想像以上に消耗します。
避難用の装置(階段昇降機や、担架、サポーター制度など)
避難が必用な時、車椅子ユーザーの対策が出来ていないと、階の移動が困難になります。
在宅ワーク
雇用形態に関わらず、在宅ワークが出来る制度が整っていることが必用です。
定期通院制度
定期通院を有休を利用しなくても良いように、有休とは別に通院制度として有る必要があります。
有休は、通院のためではなくリフレッシュなどに利用するべきです。
車椅子で出来る仕事
企業内の仕事であれば、デスクワーク全般が可能ですが、車椅子以外に必用な配慮が出来る環境がある職場を選ぶ必要があります。
例えば、上肢に麻痺がある場合は、パソコンで使用するマウスをトラックボールに変えたり、車椅子での移動が頻繁に行うのが困難な人であれば、専用のOA機器の設置などになります。
障害によって、事務処理速度も異なるので、その辺の配慮や調整が可能であれば、デスクワーク全般が出来る仕事になります。
また、バックオフィスや管理部門と言われる仕事が多いですが、フロントオフィスでのコールセンターや営業事務も車椅子で出来る仕事になります。
-例-
『経理、会計、総務、庶務』
- 一般事務
- 事務アシスタント
総務や庶務などでは軽作業などの雇用例もありますが、車椅子の仕事には向きません。
在宅で出来る仕事
ここで言う在宅で出来る仕事とは、企業に勤める働き方ではなく、フリーランスとしての仕事になります。
車椅子ユーザーにとって、通勤は大きなハードルです。
出来れば、在宅で仕事が可能な方が身体にとって負担がありません。。
今は、探せば簡単なデータ入力から、専門スキルが必用なプログラミング、webサイトの作成や、ブログで使うイラストの作成など多くから選ぶことが出来ます。
私が相談されて紹介するのは、初心者であれば「ママワークス」、慣れていたり専門職として稼ぐのであれば「クラウディア」を紹介しています。
車椅子で出来る仕事の探し方
車椅子で出来る仕事は、10年前と比べて多くなりました。
しかし、雇用があればどこでも良いかと言うと、それはありません。
ここでも、前で書いたように「車椅子に望ましい職場環境」が必用です。
これは、雇用があればどの企業でも出来ている訳ではありません。
車椅子ユーザーへの合理的配慮をしっかり理解して実行できている企業でないと難しいです。
でも、ハローワークや求人サイトを見ても車椅子ユーザーへの配慮について詳細が書かれていることはありません。
書いてあっても「雇用実績あり」くらいです。
雇用実績あり=合理的配慮が完璧ではありません。
これでは、仕事がしやすい環境を簡単に探す事は出来ません。
でも、がっかりしないで下さい。
1つだけ車椅子ユーザーの望む条件で仕事を探す方法があります。
それは、エージェントの利用です。
エージェントは、車椅子ユーザーひとり一人の条件や希望に合わせて、仕事先を提案することが出来ます。
それが出来るのは、エージェントが企業に依頼されて採用に協力をしているからです。
なので、当然エージェントは採用実績を詳しく知っています。
また、企業ごとに出来る合理的配慮の範囲も知っています。
だから、車椅子ユーザーひとり一人の条件や希望にぴったり合う仕事を提案することが出来るのです。
それだけではありません、雇用条件にも詳しいので結婚を考えた生活が幸せに暮らせる仕事や、キャリアやスキルを活かすことの出来る仕事を提案することが出来ます。
企業ごとに比較することもエージェントは出来るので、より給料や条件が良い仕事と職場環境が提案出来るのです。
では、エージェントさえ利用すれば満足の行く就職や転職が可能かというと、それは違います。
エージェントは、どこも同じではありません。
全てのエージェントが同じサービスをしているわけではないからです。
エージェントは、得意な分野や、地域など特色が分かれます。
エージェントを普段利用しない人は、その辺りが良く解らないと思います。
それでは、困りますよね。
地方の仕事を探したいのに、東京しかないとか、その逆も困るでしょう。
そこで、普段から企業の採用でエージェントを利用している当メディアのアドバイザーが、車椅子ユーザーが利用して満足できるエージェントを3つだけ紹介します。
エージェントは3つだけではありませんが、アドバイザーがここだけは外せないと言う自信を持って薦められる選び抜いたエージェントです。
就職・転職方法
ランスタッド株式会社
ランスタッドカブシキガイシャ
https://www.randstad.co.jp/
設立:1980年8月〒102-8578 東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート21F
対応エリア:全国 93拠点、代表取締役会長兼CEO カイエタン・スローニナ、資本金:1億円
ランスタッドを薦める車椅子ユーザーは、キャリアアップやスキルを活かした仕事を探している人です。
このランスタッドは外資系で、グローバルに人総合人材サービスを展開していて、日本国内でも各業界、職種を網羅しています。
他社にはない給料アップ特集もあるので、是非求人を確認してみて下さい。
首都圏では、精神保健福祉士も在籍しているので、メンタル面で心配がある人も安心です。
公式サイト
https://www.randstad.co.jp/
dodaチャレンジ
ドゥーダチャレンジ
https://doda.jp/challenge/
〒108-0014 東京都港区芝5-33-1森永プラザビル本館19階 パーソルダイバース株式会社
対応エリア:全国、代表者名:井上 雅博、従業員数:521名、資本金:4,500万円
dodaチャレンジを薦める車椅子ユーザーは、日系の大手企業で合理的配慮がある安定した生活を希望する人にぴったりです。
dodaチャレンジは、TVCMでお馴染みのdodaやテンプスタッフと同じパーソルグループです。
パーソルグループは、旧インテリジェンスと旧テンプホールディングスが合併して出来た企業で、人材総合サービスでは国内最大級です。
そのため、多くの企業データがあり、そこから提案される仕事は選りすぐれれた物ばかりです。
dodaチャレンジも、是非求人を確認して下さい。
公式サイト
https://doda.jp/challenge/
アットジーピー
アットジーピー
https://www.atgp.jp/
〒104-0031 東京都中央区京橋2-4-12 京橋第一生命ビル3F 株式会社ゼネラルパートナーズ
対応エリア:全国 代表取締役社長:進藤 均
アットジーピーを薦める車椅子ユーザーは、車椅子を利用するようになって初めての人や、車椅子での仕事に慣れていない人にぴったりです。
アットジーピーは、業界ではパイオニア的存在で、障害者の合理的配慮についてとても詳しいエージェントです。
また、地方の求人数も一番多く保有しているので、地方に強くIターンやUターンの仕事を探すのにも向いています。
地方や合理的配慮を最優先に仕事を探すのであれば、是非求人の確認をしてください。
公式サイト
https://www.atgp.jp/
エージェントを利用するコツ
エージェントごとに、契約している企業が違います。
企業によっては複数のエージェントと契約をしている場合もありますが、全てではありません。
なので、必ず複数のエージェントと比べて下さい。
Aと言うエージェントにはない企業が、Bと言うエージェントにはあるかもしれません。
その企業が、あなたにとって一番良い企業の可能性があります。
登録は無料でwebから2-3分で行えます。可能性を潰さないように、出来るだけのことをしましょう。
車椅子で仕事をしている人の例を紹介
副業で、当メディアのライターをしている、車椅子ユーザーの仕事を紹介します。
脊椎損傷
東京都 女性
28歳
私は、学生時代にスポーツ中の怪我が原因で脊椎損傷になり車椅子ユーザーになりました。
新卒で、障害者採用で某企業に入社出来たのは良かったのですが、その後27歳まで人事で事務アシスタントとして頑張りましたが、昇給は殆どなく、上司からは今後も昇進は期待出来ないことを聴いていました。
新卒当時は、入社できたことで満足でしたが、毎日の単調な仕事が嫌になり、自分の得意なエクセルと英語をもっと活かした仕事をしたくて、以前から人事で利用していたランスタッドのお世話になることを決めました。
ランスタッドは、人事で利用していたので紹介力が高いのは良く知っていったので不安はありませんでした。
おかげで、今はコンサルタント企業で秘書業務をしています。
得意なエクセルと英語が活用できる部門への紹介が本当に良かったです。
給料もアップして大満足です。
利用したエージェント
ランスタッド
公式サイト
https://www.randstad.co.jp/
片麻痺
神奈川県 男性
36歳
私は、脳の病気で片麻痺になりました。
最初は、リハビリをしても仕事はもう出来ないと諦めていましたが、知人の紹介でdodaチャレンジを頼ることにしました。
その時点でも、私は知人の顔を立てているだけで、本気で就職が出来るとは思っていませんでした。
カウンセラーから希望を聴かれたので、仕事があれば何でも良いと思い、それをそのまま伝えたところ、カウンセラーから注意をされました。
「そんな探し方では、納得できる仕事は見つからない。だから、長続きもしないから自分の希望をしっかり伝えて欲しい。」
と、言われました。その時、私は恥ずかしくなり、始めて真剣に探してくれることを知りました。
その後、時間はかかりましたが私の希望する職種で満足いく給料の仕事が見つかりました。
私は、dodaチャレンジを利用して就職出来て本当に良かったです。
利用したエージェント
dodaチャレンジ
公式サイト
https://doda.jp/challenge/
車椅子 メリット・デメリット
最後に車椅子ユーザーのメリットとデメリットについてです。
車椅子ユーザーは、デメリットだけでメリットは無いと思っている人もいますが、そうばかりではありません。
もちろん、不自由をしている事はデメリットしかありませんが、その他にメリットもあります。
-メリット-
メリットは、大企業で合理的配慮のある仕事を選ぶことが障害者枠で優先に出来ることです。
そんな事かと思うかもしれませんが、極一部の人しか入社できないような大企業で、キャリアデザインをした高収入は、一般では数少ない一握りの人だけしかできません。
それを、優先的に選ぶことが出来るのはメリットと考えたいです。
そのような企業は、障害と実績は別にわけて考えるので、障害があることがデメリットにはなりません。
成果を実績として見てくれます。
-デメリット-
デメリットもあります。
デメリットと考えるかは、働き方の違いになりますが、正社員として働く場合は、障害と実績を別に考えるので、障害への配慮はありますが、仕事への配慮はありません。
ですが、契約社員として、障害への配慮を優先する働き方も出来ます。
つまり、障害者は合理的配慮のある仕事で、バリバリ働くか体に優しい働き方を選ぶことが可能です。
まとめ
如何でしたでしょうか。
車椅子ユーザーは、安心して安定した生活を送ることが出来ます。
もちろん、幸せな結婚をすることもが可能です。
ただし、それには仕事をする環境を整えないと不可能です。
多くの企業は、合理的配慮のある環境を目指しますが、コスト面などから完璧にするのは難しい企業も少なくありません。
それを考えると、雇用に多くのコストがかけられる大手企業を選ぶことが必用です。
また、大手企業は車椅子ユーザーも多く在籍し、雇用になれているので行き届いた合理的配慮が可能です。
あなたにぴったりの大手企業は、エージェントに相談することで、より早く見つけることが可能です。
利用は全て無料なので、是非相談してみてください。
あなたの知らない条件で企業が求人をしているかもしれませんよ。
今回の記事は、これで終わりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
当メディアは、車椅子ユーザーを応援します。
-今回の記事で紹介したエージェント-
ランスタッド公式サイト
https://www.randstad.co.jp/
『対応エリア:全国』外資系のグローバル企業です。精神保健福祉士が常駐しているカウンセリングが好評で、正社員・キャリアアップへの提案力があります。配慮のある環境でキャリアデザインをするのに最適です。
dodaチャレンジ公式サイト
https://doda.jp/challenge/
『対応エリア:全国』パーソルグループの特例子会社パーソルチャレンジが運営元です。自社が特例子会社だからこそ、障害のある人に寄り添った提案が出来ます。グループの保有する企業情報からの提案力はパワーがあります。
アットジーピー公式サイト
https://www.atgp.jp/
『対応エリア:全国』求人案件数が多く、業界では1-2位を競います。首都圏のみだけではなく地方の求人にも強くUターンやIターンで仕事を探す時に提案力があります。