障害者の合同就職相談会

こんにちは、現役で障害者採用担当をしています。管理人のKです。
仕事上、年に何回か障がい者のための合同就職相談会に参加します。
また、私も仕事を探して障害者として過去に何回か合同就職相談会に参加した経験もあります。

今まで、これに参加した人であればご存知かと思いますが、ここだけで転職できることは、まずありません。

では、参加する必要はないのでしょうか。
いえ、そうとも言い切れません。
とても貴重な時間です。

合同就職相談会は、障害者にとって転職先を見つけるのにとても大事です。
それは、企業を知るために1番良い機会だからです。

合同就職相談会を、その場で就職を目指す場所にするのも良いですが、そんなに簡単に転職先を決めて良いですか?
もし、ブラックであったり社畜のように扱う企業だったらどうします?

または、仕事を全く出さないなんてことも考えられます。
なので、そうならないためにも、この機会は転職先のデータを集めて、良い企業をしっかり選ぶために使います。

そこで、ここではせっかくの合同就職相談会を無駄にしないように、いかに有効に活用すれば良いか、今まで転職する側で参加した経験と、採用する側で経験した私が、合同就職相談会の参加する意味と、参加した時に行う事、その他必要な事について解説します。

-ここでわかること-
合同就職相談会を最大限に活用する方法

初めて参加する人も、改めて参加する人も、良い転職に繋げられるように参考にしていただければと思います。

合同就職相談会に参加する意味

まず、ここに参加することだけで仕事が見つかることはありません。
そんなに簡単に仕事が見つかるのであれば、誰も困りません。

実際に、私が参加していた時も、その場で採用までの出会いがあるとは思っていませんでした。
では、当時私はなぜ参加していたのだろうか考えてみました。

それは、少しでもチャンスがあればと思い、参加していました。
その時は、合同就職相談会に参加している企業は、全て採用する気があると思っていたからです。

でも、後に参加する企業側になってわかったことですが、全ての企業がその場で採用する気があるところばかりではなかったのです。

それでも、障害者は参加する意味はあります。
企業も短い時間で採用まで行けるとは思っていません。
ですが、企業の方針としては採用の意思はあります。

この企業側の意思を見るのが参加する意味なのです。

合同就職相談会に参加すると、各企業の代表ごとに簡単な会社説明と合同就職相談会への意気込みを参加者の前で話をする事があります。

これは、ネットで調べても出てくる物では無く、その瞬間の一番生でHOTな情報です。
これを聞くことが参加する意味の1つです。

これは、結構大事です。
数回参加している人であればわかるかもしれませんが、合同就職相談会ごとに話をする人が違うことが多いのです。これは、担当者が変わることもありますが、人事でローテーションで変えている場合もあります。

なので、話をする人は企業ごとに、その時の企業の採用に沿って話を作りその場で話ます。
つまり、今回の採用したいと言う意思です。

これは、メモしましょう。大変なので全部ではなくて、気になったフレーズだけでいいです。
あとで、とても役に立ちますので、必ず実施することをおすすめします。

-ここのまとめ-
企業の旬な採用方針と意思を確認することが大事

会場の廻りかた

参加する意味がわかったところで、今度は実際に行っておきたいことについて書いていきます。
合同就職相談会にもよりますが、規模が大きいときと、小さいときで多少参加の仕方が変わります。
それは、会場の廻り方です。

会場の規模が大きくて1人で時間内に廻りきれない場合

会場の規模は事前にわかるので、無理だと思ったら1人で廻るのは諦めましょう。
一緒に行く友達がいる場合は、友達で分担します。

例えば、自分が気になっている企業と友達が気になっている企業を書き出し、重複している企業は1つにして、TOTALで書き出します。
そこで、参加する友達の人数で割って、効率よく全部廻ります。

会場の規模が大きくても1人で廻る場合

規模が大きくて、1人で回る場合は最初から回る企業を選んでおきます。
だいたい10社位を決めておきましょう。

なるべく待ち時間が少ないところから回るのが鉄則です。
人気のある企業には、自分も行きたいのはわかりますが、そこ1社で終わる可能性もあります。
待ち時間1時間、面接10分なんてありえます。
これでは、せっかく来た意味がないでしょ?
人気のある企業で回れなかった場合は、別の方法で後でアプローチします。

ちょっと一息コーヒー
もし回り方が自由で良い場合は、時計回りに回ると効率がいいかもしれません。
人は自然に回ると時計と反対に回りたがる傾向があるので、逆回りをすることで空いているところから回れる可能性があります。
ただし、大規模な合同就職相談会の時にだけしか可能性はありません。

会場の規模が小さくて時間内に1人で廻れる場合

規模が小さい場合は、出来るだけ全部廻りましょう。
ただし、人気があるところは、ものすごく混み合います。

そのようなところに行っても、しっかり話をすることも出来ないし、時間だけ掛かってもったいないので、空いているところから、どんどん廻るようにします。
人気のある所は、別の方法で後でアプローチします。
この方法も、後で説明します。

データ収集

企業のブースを廻る時は、質問内容を事前に決めておきます。
「頭で簡単に考えているからいいや」では、せっかくの企業のデータ収集がもったいないです。

必ず質問が出来る時ばかりではありませんが、紙に書いて用意はしておきます。
そして、聞けたときは、企業ごとにメモを残しましょう。

ここだいじ!

  • こちらから質問が出来ない企業は、転職先候補から外した方が良いです。
  • 自分の所のアピールと自分が聞きたいことだけを聞いてくるような担当者がいる企業は、障害者からの配慮や要望について聞く耳を持っていないことが多いからです。
  • 時間が少ない中でも、1つでも2つでも質問を受け付けてくれる企業は良い企業だと言えます。

質問内容の例

  • 障害者のキャリア採用についてどう考えているか
  • 在籍している障害者数
  • 自分と同じ障害を持つ人がいるか
  • 時短勤務、育休、産休(必要であれば)など

給料や福利厚生は、あとでも転職サイトから確認が出来ます。
書かれていないようなことを聞く準備をしておきましょう。

-質問の解説-
Q.障害者のキャリア採用についてどう考えているか
これは、キャリアについて考えられない企業だとすると、ポジションの移動は考えられずに、給料がほぼ固定になってしまうので避けましょう。
例として、極端ですが初任給が200,000円であれば、10年たっても200,000円に近いと思っていいです。

Q.在籍している障害者数
障害者雇用に力を入れているか、慣れているか等の参考にします。
自分が障害者雇用で最初になる場合は、辞めた方が良いです。
実験のモルモット状態になります。
目安としては、参加する企業は社員が1,000人規模以上が多いと思われるので、法定雇用率を考えて10-20人くらいでしょうか。少なくても3人以上採用している企業を選ぶべきです。
(できれば、事前に参加する企業の従業員数を調べておくと良いです。調べ方は企業ホームページか大手企業であればwikipediaで調べるといいです。)

Q.自分と同じ障害を持つ人がいるか
これは、自分と同じ障害を持つ人を採用している場合、その障害を持っている人の就業に企業が慣れていることが多いからです。障害への理解や配慮について、周りがある程度でもわかっていてもらえるのは、働きやすいので大事なポイントです。

Q.時短勤務、育休、産休、病気休暇(シックリーブ)の取得
体調はもちろんですが、自分に合わせた働き方ができるかというところを見ます。
実際に休暇など取らないとしても、これがしっかりできる企業は、ゆとりのある仕事ができるでしょう。
ライフ・ワークバランスが考えられる仕事を選びましょう。

ライフ・ワーク・バランス認定企業は、従業員が生活と仕事を両立しながら、いきいきと働き続けられる職場の実現に向けて優れた取り組みを実施している企業を東京都が選定し、広く都民に公表する制度

出典:SHEM

ここのまとめ回れるところから回る。
質問は事前に決めておき、回答は企業ごとにメモを残す。

当日はここまでが目標です。

合同就職相談会の後が一番だいじ

合同就職相談会の当日は、各企業のブースをまわり履歴書を置いてきます。
企業は、多くの人の履歴書をまとめて持って帰ります。
この時点では、採用に向けては何も進展はありません。

もし、当日その場で次につながるようなオファーがある場合は大事にしてください。
普通は、当日は回って終わりが多いです。

ところで、いつも合同就職相談会が終わって、今回も収穫なしかぁ。って変な達成感で満足していません?
合同就職相談会は、ここからです。ここから、仕掛けていきます。

データをまとめる

翌日で良いので、合同就職相談会出回ったデータを企業別にまとめます。

  • 担当者の話した採用方針
  • 質問した結果
  • ネットで検索した採用条件(職種、給与、福利厚生など)

書き方は、まとまれば良いので手書きでもいいですし、Excelなどでまとめても良いです。

データがまとまったところで、自分で良いと思う数社を選びます。
しっかり回っていれば、必ず2―3社は良いところが出るはずです。
万が一ない場合は、今回はハズレだと思い諦めます。
追っても、良い結果は生まれません。

興味のある履歴書作成と意識づける送付

良い企業が見つかれば、そこに再度履歴書を作成し送ります。
その前にデータを集めてあるので、それに基づいて採用担当者が好みそうに履歴書を書き足していきます。
偽装しろと言っているわけではありません。
志望動機に少し担当者が好みそうな内容を足していきます。

例えば、キャリアについて考えられそうであれば、
「御社に役立つ人間を形成しながらキャリアプランを立てて、しっかり成長をしていきたいと思います。」
とか、
社員を人財として財産として大事にしている企業であれば「ライフワークバランス」について書いても良いでしょう。
一言でもいいので、合同就職相談会で得たデータからキーとなる一言を履歴書に足すことで、印象はかなり変わります。

また、回っている時にブースが混んでいて見送った、「後でアプローチをする」のところは、ここでアプローチをかけます。

アプローチ:意義のあるちょっとした小細工で成果UPを狙う

ここは、履歴書を送る時、一緒に一筆入れます。
簡単な送り状なようなものです。
履歴書と同封すれば良いです。

書き方は、礼節ある文面で書きます。書き方が解らない場合は、「履歴書 郵送 挨拶状」でネットで検索すると色々テンプレートが出てきます。
手書きでなくても、パソコンで作成すればOKです。
ただし、内容に必ず入れて欲しいことがあります。

  • 先日、合同就職相談会に参加したこと
  • 残念ながら、混んでいてそこでは話ができなかったこと

これだけは、いれます。
文面は、簡素に全体で400文字以内で書きましょう。
あまり長いと、嫌がられます。

この送り状は、結構効きます。
担当者は、ただ送られてきた履歴書に目を通すのではなく、

  • 合同就職相談会に来てくれたこと・・・ありがとう
  • 混んでいて会えなかったこと・・・申し訳ない
  • 合同就職相談会の最初に話した内容が反映された志望動機・・・好感触

次への矢印イラスト

採用担当者: 一度あってみたい

と、思わせることができます。
これで、合同就職相談会当日よりは、面接に進む確率は上がりました。

でも、これで、合同就職相談会が完璧かというと違います。
これでは、面接までしか行けないでしょう。
しかも、まだ転職までの確率を上げることができますが、このままではダメです。

プラス合同就職相談会に必要な事

今まで解説してきたことを実行するだけでも、成果は期待できますが、しっかり結果を出さないと今までと同じです。

何が必要かというと。

それは、履歴書の確認や、面接のアドバイスが必要です。

「誰に。。。。」

と、思われるかもしれませんが、それは専門家です。
つまり、転職エージェントです。

転職エージェントは転職に特化したプロです。そのプロからアドバイスを受けます。
合同就職相談会でブースを出していた企業は、転職エージェントにも確実に登録しています。
なので、エージェントは企業の求人情報を持っています。

その情報を元に、履歴書を確認してもらい完璧に仕上げます。
そして、求人情報からポジション(職種)を確認して、面接の対策も実施してくれます。

これをすることで、転職への成功確率はぐっと上がります。

その証拠に、私の担当している企業の採用実績から見ても、個人応募よりどうでしょうか。

転職エージェントからの採用グラフ

でも、専門家だと有料なんじゃない?
と思われるかもしれませんが、全て無料で利用できます。ただし求人案件をたくさん持っているところをおすすめします。

まとめ

何も知らない企業に応募するのは、作戦のない戦いに武器も持たずに挑むのと同じです。
合同就職相談会で企業の情報をあつめ、専門家にアドバイスをもらい、賢く転職を進めましょう。

合同就職相談会の事前にエージェントに登録をしておきましょう。
いつでも、利用できるようにしておくと便利です。

-全国対応の評判の良いエージェント-

ランスタッド公式サイト
https://www.randstad.co.jp/
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