こんにちは、現役で障害者採用を担当しているアドバイザーMです。
今回は、採用面接であった質問からキャリア形成について考える時に必要なキャリアアップとキャリアパスの現状と、今後の障害者の就職や転職について解説します。
まず最初に、キャリアアップとキャリアパスが考えられなければ、キャリア形成は出来ません。
一般枠の正社員であれば、誰もがキャリア形成を考えたキャリアアップとキャリアパスについて考えます。企業も、人財育成を考えてそのサポートをします。
一方、最近では障害者の就職や転職は雇用機会が増えて売り手市場とまで言われてきていますが、しっかりキャリア形成を考えられているのでしょうか。
今回は、障害者と企業が考えるキャリア形成に必要なキャリアアップとキャリアパスの現状を見て未来を考え、今、自分はどうしたら良いのか解説します。
-記事を読む前に-
- キャリアパス=キャリアアップの道筋
- キャリアアップ=専門的な知識を身に付け、能力を向上させて、経歴を高めるということ(簡単に言うと、偉くなって高い給料が貰えるということ)
- キャリア形成=キャリアアップを重ね、将来のポジションまでの設計図
障害者のキャリアアップとキャリアパスの現状
障害者が就職や転職をする時、キャリアアップについて考えている人とそうでない人といますが、現状を見ると考えている人が増えています。
それは、採用面接でキャリアアップとキャリアパスについての質問が増えていることから解ります。
しかし、その事について全く考えられていない人がいるのも現状もです。
キャリアアップやキャリアパスについて考えられない人は、人生の途中で突然障害者になり、仕事を他の業種に変えざるを得ない人が多いです。
そうです。今までのキャリア形成をぶっ壊された人達です。
その人達は、障害者になって間もない人や、障害者になった事の受け入れが出来ていない人などです。
-例えば-
工場で物を作っていた人が突然デスクワークの仕事に就職しても自分の将来について想像をするのは難しいと思います。
また、料理人だった人がデスクワークの仕事に就職するのも同じでしょう。
では、キャリアアップやキャリアパスについて考えられている人はどのような人なのでしょうか。
そうなんです。障害を受け入れることで、今の自分にあったキャリア形成を考えられている人です。
障害者の将来の事を考えると、誰もがキャリアアップとキャリアパスを考えられる環境が必要ですが、現状は全ての障害者が考えられる環境ではありません。
障害者のキャリアアップにおける多くの企業の考え方
障害者が自分でキャリアアップについて考えられなくてはいけませんが、企業はどうなのでしょうか。
多くの企業は、障害者を採用する場合、障害への配慮は考えますが、キャリアアップやキャリアパスについてはあまり考えていません。それは採用条件を見ても分かります。
-例えば-
- 簡単なパソコン操作が可能
- 週30時間以上働ける方
などが良くある条件で、キャリアと思えるような内容ではないからです。それは、採用側で必要なポジションに採用するのではなく、障害者を採用するためのポジションとして仕事を作っているからです。これが現状です。
特別なパターンですが、特別な場合もあります。障害を持つ前のキャリアが、企業の採用したい空きポジションとマッチしている場合や、新卒でパフォーマンスが高い障害者です。
彼らは、企業の用意した障害者用のポジションではなく、必要な空きポジションに採用される訳なので、障害者枠で就職をするのではなく一般枠の正社員で就職します。
このような場合は会社はキャリアパスを考え人財育成を進めます。
-Point–
企業の考える障害者のキャリアアップとキャリアパスは無いのが現状
障害者のキャリアアップにあった本当に怖い話
キャリアアップが無いと言うことは、いつまでたっても自分のポジションは変わらず、入社した時のままです。
もっと言えば仕事が変わらないので給与アップは当然無く現状のままと言うことです。
障害者の採用マーケットや時代による賃金の相場にそって給与はその都度見直されはしますが、それだけです。
残念ですが、夢も希望もありません。
また、一度入社時に決められた賃金のベースアップは、本当に少額で年に1パーセント、良くて2パーセント程度です。
あるだけましかもしれません。
-本当にあった怖い話-
採用するとき、提示する雇用条件とは別に人事と採用部門では給与のMAXが決めてあります。
採用初年度の給料は、5年分くらいを見積もってMAXより5%位低く出します。
その後は毎年給与がアップするかのように1%づつ毎年小出しに上乗せしていくのです。
最初から、MAXで給与を出してしまうと年1%もあげることは出来ません。
5年後は、物価も変わるので価格を見直します。そこで、5%多く見積もれば、また5年は持ちます。
-理由-
障害者の採用コストは物として購入しているのです。初めから人件費ではない事が多いです。
なので、キャリアアップも無いですし、賞与もありません。
だって物ですから。
数年前、人事に配属された時に先輩から教えて貰った本当の話です。
普通は、仕事をすれば賃金だけでなく、自分の能力や知識の向上と出世も考えます。
ですが、実際は企業で働く障害者枠の人は物なのでキャリアアップもキャリアパスも無い仕事をしています。
そして、それを決めているのは、一般枠で就職した正社員が決めているのが現状です。
今までは、このように障害者はキャリアアップやキャリアパスについて考える機会も立場も無く、将来を考えようがありませんでした。
今後に期待ですが、最近は個々の将来を見越して、他の正社員と同様にキャリアアップを考え育成の機会がある企業も出てきました。
今後は、人財活用を考えますます増えてくると期待しています。
-Point-
障害者もキャリアアップとキャリアパスが考えられる環境が必要
キャリアアップが出来た人と出来ない人の差
キャリアアップやキャリアパスが考えられる企業で働いた場合と、そうで無い企業で働き続けた場合の将来の差について良く考えて見てください。このようなことが起こります。
キャリアアップした人
- 生活費が心配では無い
- 仕事のやりがいを感じる
- 色々な美味しい物を経験できる
- 好きなところに、いつでも旅行に行ける
- 欲しい物は、満足できる範囲で購入が可能
- マンションや戸建てを購入
- 化粧品は納得できる物を使える
- 結婚を視野に入れた人生計画が立てられる
- 子育てを考えた学費を貯蓄できる
- 老後も安泰、退職後は悠々自適
- お墓も生前購入
もの凄く裕福では無くても、安定した安堵感と幸せは感じられますよね。
キャリアアップが出来ない人
- まずは、給料が安くてほぼ固定
- 仕事のやりがいが感じられない
- いつも金欠
- 食べたいものが食べられない
- 旅行にい行けない
- 欲しい物が変えない(服や靴、装飾品)
- 一生ぼろアパート
- 化粧品は激安品
- 結婚が出来ない
- 子育てのお金が無い(育児・学費等)
- 老後が心配
- お墓とか葬儀が心配
家族全員が不幸では無くても、幸せなイメージは湧きませんね。
ちょっと考えただけでも、キャリアアップはあった方が幸せそうです。
-Point-
同じ人生であれば、少しでも幸せになれる可能性が高い方が良いですよね。
気づいたとき行動に移れるか移れないかで、その後の格差が生まれます。
今後のキャリアアップを考える
結論から言います。
障害者がキャリアアップを目指すのであれば、現状では転職が一番手っ取り早いでしょう。
なぜなら、障害者のキャリアアップを考えない企業に長く勤めても、その先は見込めないからです。
企業は、そんなに簡単に方針を変更しません。
それであれば、現在キャリアップの考え方を取り入れている企業に転職するのが一番手っ取り早いです。
例えば私を例とするなら、人事で採用経験があるので、その経験を活かしキャリアップのある企業へ転職をする。
労務経験があれば、そのポジションで採用をしたいと考えているキャリアアップのある企業に転職すると言うことです。
これからは、ただ給与が良いとか、福利厚生が整っている等の条件を優先にするのでは無く、もっと将来性のあるキャリアアップとキャリアパスを考えた就職や転職が必要です。
その為には、企業の情報を一番持っている転職エージェントを利用するのが一番効果的です。
ここだいじ転職エージェントは、クライアントである企業の人事と採用について情報共有をしているので、障害者の採用で企業が何を重要視しているか解っています。
-エージェントが解っている事-
- 採用コストを抑えたいのか
- マンパワーの人財として迎えたいのか
- 法定雇用率だけを考えているのか
など、企業ごとに把握しています。
-Point-
- 障害者自らキャリアアップとキャリアパスを考えて行動
- その為には、情報の多い転職エージェントを利用するのが得策
キャリアアップを目指すなら利用すべき転職エージェント
これからは、障害者もキャリアアップとキャリアパスを考える必要があります。
そうです。今こそ転職を視野に入れたキャリアアップを考える時です。
-備えあれば憂い無し-
今すぐに転職をしなくても自分の給料を市場価格と比べたり、自分ならどの企業のどのポジションが向いていて、その給料はいくら位かなど自分の査定をしたり、キャリアアップの情報収集をしておくことが転職への備えとなります。
何をするのにも情報戦は大切です。普段からエージェントを利用して情報収集をして情報通になりましょう。
ランスタッド公式サイト
https://www.randstad.co.jp/
『対応エリア:全国』外資系のグローバル企業です。精神保健福祉士が常駐しているカウンセリングが好評で、正社員・キャリアアップへの提案力があります。配慮のある環境でキャリアデザインをするのに最適です。
dodaチャレンジ公式サイト
https://doda.jp/challenge/
『対応エリア:全国』パーソルグループの特例子会社パーソルチャレンジが運営元です。自社が特例子会社だからこそ、障害のある人に寄り添った提案が出来ます。グループの保有する企業情報からの提案力はパワーがあります。
アットジーピー公式サイト
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『対応エリア:全国』求人案件数が多く、業界では1-2位を競います。首都圏のみだけではなく地方の求人にも強くUターンやIターンで仕事を探す時に提案力があります。