
全般性不安障害(GAD)で仕事が出来なくてお困りの人に、障害への配慮が有る仕事の探し方を紹介します。
この記事は、全般性不安障害と診断されて休職や離職して治療をしている人と、仕事を続けながら転職を考えている全ての人に向けて書かれています。
これからの就職や転職の仕事探しの参考にしてください。
※GADとは、Generalized Anxiety Disorderの頭文字です。
全般性不安障害の人の仕事をする環境について
まず、必要な事は治療を続けられる環境が必要です。
最初は、薬物療法から始まって不安が緩和されてきたら、精神療法に変わるなどの治療方法が考えられますが、まずはその治療を受けられる環境を維持できる必要があります。
それは、職場の理解です。
具体的には、全般性不安障害と定期通院の理解です。
これが、無理であれば治療が出来ないので仕事ができません。
なので、今仕事が出来なくて休職している人は、現職の環境が定期通院が出来るか考えてみて下さい。
もし、難しいようでしたら転職を考えましょう。
そして、既に全般性不安障害が原因で仕事が出来なくて退職している人は、医師の許可が出たら仕事を探し始めるでしょう。その時の職場は全般性不安障害と定期通院に理解がある環境が必要です。
全般性不安障害と定期通院への理解、この2点が仕事をする上で必要な環境です。
-問い-
ここで、全般性不安障害で仕事が出来ない人に伺います。
Q:精神障害者保健福祉手帳を持っていますか?
全般性不安障害と診断されたら、精神障害者保健福祉手帳を取得できる場合があります。
取得することで、色々な福祉サービスを受けられる他に、合理的配慮のある環境で仕事をすることが出来るようになります。
もし、まだ精神障害者保健福祉手帳を持っていないようでしたら、医師に相談してみましょう。
この記事では、全般性不安障害と診断された人で精神障害者保健福祉手帳を持っている人と持っていない人、両方の仕事の探し方が解りますが、合理的配慮有る環境での仕事は手帳の取得を試みてください。
全般性不安障害の仕事
環境の次は仕事です。
全般性不安障害と定期通院への理解がある環境であれば何でも良いと思うかもしれませんが、仕事は何でも良くありません。
全般性不安障害の人が、向いている仕事と向かない仕事の例をあげてみます。
全般性不安障害が向かない仕事
前提として下記職種は向きません。
- 総合職
- 専門職
- 自営・フリーランス
-総合職-
総合職は、企業の管理職として期待される職種です。責任や決断力を求められる負担が掛かる職種です。廻りとの競争もあり全般性不安障害の人は避けるべき仕事です。
-専門職-
専門職は、国家資格が伴う、医師、薬剤師、会計士、弁護士などで、責任と負担が多い職種です。
-自営-
自営・フリーランスは、一見自分で全て調整できるので、仕事もメンタル的にも良さそうに感じます。調子が良いときは不安もありませんが、悪くなった時は全ての責任が自分1人に掛かるので負担が大きくかかります。従業員がいれば、更に責任が大きくのしかかるでしょう。
ここでは、代表的な3つを紹介しましたが、自分に負担が掛かるような仕事は避けるべきです。
負担は心配への近道となり、全般性不安障害を再発したり、悪化させる原因に繋がります。
全般性不安障害が向いている仕事
前提として、下記の条件が好ましいです。
- フレックスが自由に使える
- 在宅勤務が多い
- 有休が取りやすい
その上で、向いている仕事は
- 事務職
- アシスタント職
- 軽作業
- 公務員
なるべくルーティンワークで、代わりに誰かが出来る仕事が向いています。
これは、責任のない仕事しか出来ないと言っているのでは無く、メンタルへの負担を考慮したアドバイスです。
全般性不安障害は、うつ病やパニック障害の併発も多いと言う事が言われているので、なるべくそのリスクが軽減できるようにです。
うつ病の人におすすめの転職エージェントをまとめました。利用するところは何処でも同じではないので、あなたにぴったり合っているところを見つけやすいように解説しています。
パニック障害の人が、自分に会っている仕事を探して就職や転職をするのは、想像以上に難しいことです。そこで、失敗するリスクを最大限に減らした一番良い方法があるので解説します。ここを参考に仕事を探してみてください。
全般性不安障害の人が仕事を見つけ就職や転職をする為の6つの方法
全般性不安障害の人が就職や転職で、自分にぴったり合った仕事を見つける為の方法を、2つのタイプ6つの方法に分けて解説します。
タイプ1:仕事をする準備が出来てる人
タイプ2:仕事をする準備が必要な人
1-仕事をする準備が出来ている人
『仕事をする準備が出来ている人』とは、退職して療養をしている人で、医師の診断で治療を続けながら仕事をしても良いとされた人や、現職があり休職して療養をしている人で自分に合っている仕事と環境に転職を考えている人です。現在、就業中の方で転職を考えている人も含まれます。
1-1ハローワーク
障害のある人用に、配慮のある求人を探す事が出来ます。相談員もいるので解らないところは相談や質問が出来ます。
求人への質問は、相談員から企業へ問い合わせも可能です。
この障害のある人の求人には、合理的配慮のある仕事がありますが、それを利用するのには精神障害者保険福祉手帳が必要です。
一般の求人の方が条件が良く数も多いので、全般性不安障害を隠して仕事を探す事も出来ますが、働きやすい環境で長く務める事を考えると良くありません。
医師に相談して、手帳の取得を検討しましょう。
1-2求人サイト
求人サイトは、一般枠と障害枠と取り扱っているサイトが違います。
全般性不安障害が心配で、合理的配慮のある仕事を探すのであれば、障害枠の求人を探す方が良いです。
採用されるのには、精神障害者保険福祉手帳が必要です。
1-3人材紹介会社
人材紹介会社は、企業に依頼されたプロです。
採用条件にマッチする人材を紹介して報酬を得ています。
これも、一般枠と障害枠とあり、全般性不安障害が心配な人は障害のある人専門の人材紹介会社を利用するのが良いでしょう。
障害枠の人材紹介会社の利用には、必ず精神障害者保険福祉手帳は必要ありません。
取得予定で利用が出来ます。
ただし、就職や転職する企業が決まり、入社するまでには手帳の取得が必要になります。
2-仕事をする準備が必要な人
準備が必要な人とは、全般性不安障害が原因で就職や転職が不安な人のことです。
この場合、医師から症状が改善されて仕事が出来ると診断された人と、治療中の人や他のメンタル障害と診断され精神障害者保険福祉手帳を取得している人が対象です。
要は、条件が揃えば手帳がある人も無い人も、全般性不安障害が原因で就業に不安がある人が利用できます。
2-1就労継続支援A型
企業で募集する採用条件では就職が困難ですが、就労継続支援Aの事業所と雇用契約が結べて仕事が出来る人に、一般企業で働けるように仕事の訓練の場を作り支援します。
利用には、手帳が無くても利用が出来ますが、各市区町村で発行する受給者証が必要になります。
詳しくは、各自治体の福祉課に問い合わせてください。
2-2就労継続支援B型
一般企業で募集する採用条件では就職が困難で、就労継続支援A型でも雇用契約が難しい人に、仕事の訓練の場を作り支援します。
利用には、手帳が無くても利用が出来ますが、各市区町村で発行する受給者証が必要になります。
詳しくは、各自治体の福祉課に問い合わせてください。
2-3就労移行支援
就労移行支援は、一般企業に就職をするための準備が出来ます。
期間は、最長2年で場合によっては延長も可能です。
利用には、手帳が無くても利用が出来ますが、各市区町村で発行する受給者証が必要になります。
全般性不安障害の一般就労に一押しの方法
全般性不安障害の人が一般就労するまでの6つの方法を紹介しましたが、ここでは一押しの方法を紹介します。
仕事をする準備が出来ている人向け
まず、仕事をする準備が出来ている人は、障害特性と受け入れられる企業に詳しい障害がある人専門の『人材紹介会社』が一押しです。
ハローワークや求人サイトでは、自分で探すので客観的な目で選ぶことは難しいです。
また、人材紹介会社は多くの企業の採用情報があるので、カウンセリングを受けるだけで、ひとり一人にぴったり合った求人の提案を受けることができます。
利用には、精神障害者保健福祉手帳を持っているか、取得予定が条件になります。
仕事の準備が必要な人向け
全般性不安障害から来る就労の不安や、他のメンタル障害が併発した人で、まだ仕事を始めるのに準備が必要な人は『就労移行支援』が一押しです。
自治体か医師が必要と判断すれば利用が出来るので、比較的に利用はしやすい条件です。
無理に焦って仕事を探すより、少しでも不安がある人は就労移行支援で自信をつけてから人材紹介会社を利用するのが一番効果的です。
就労移行支援の利用には、精神障害者保健福祉手帳は必要ありません。各市区町村で発行する受給者証が必要になります
人材紹介会社とは
人材紹介会社を利用するのが、全般性不安障害の人の仕事を探すのに一番良い方法ですが、何が出来るのか解説します。
出来ることは大きく別けて3つになります。
- カウンセリング
- 仕事の紹介
- 定着支援
特に、仕事の紹介では求人を出している企業の仕事内容だけで無く、合理的配慮のある環境まで解るので、障害に合わせたひとり一人にぴったりな提案が出来ます。
カウンセリング
全般性不安障害と一口で言っても、特性の出方はひとり一人違いがあります。
また、必要な配慮もそれによって変わります。
その他に、育った環境やパフォーマンス、キャリア、スキルなど全てを通して一人の個性を見いだします。
それが出来るのが、腕の良いカウンセラーです。
これが基になって、ひとり一人にあっている求人を提案します。
仕事の紹介
仕事を個人で探せば、良いなと思える求人は1日で数件、良くて10数件でしょう。
それも、何10社の求人も見てです。
ですが、人材紹介会社は何千件という求人数の中から、ハローワークやweb媒体では解らない詳細条件や採用実績まで即解ります。
その中から、カウンセリングで得た情報と照らし合わせて提案が出来るので、一番良い組み合わせの提案が可能です。
定着支援
仕事を紹介して終わりではありません。
紹介した企業に入社した後も、条件が違わないか、困っている事は無いかと連絡が来ます。
もし、そこで困っている事があれば、慎重に誠意を持って解決をし、万が一退職になった場合は、手続きや次の転職先まで力になってくれます。
-コメント-
人財紹介会社ならどこでも良いわけではありません。
カウンセラーの腕の良し悪しや、紹介する仕事の提案力や得意とする職種など色々違いがあります。
当メディアの一押しの人材紹介会社は、精神保健福祉士のカウンセリングの評判が良い『ランスタッド』とカウンセラーが選任で2人つく『dodaチャレンジ』です。
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就労移行支援とは
就労移行支援は、仕事を始めるのにまだ準備が必要な人が利用するのに良いです。ここでは何が出来るのか解説します。
就労移行支援の出来ることは3つあります。
- トレーニング
- 就活支援
- 定着支援
トレーニング内容
トレーニングは、ひとり一人に合わせてカリキュラムを作ります。
Excelなどのパソコンスキルや、ホウレンソウなどの基本的なビジネスマナーなど仕事に必要なスキルから、自分で体調を管理する方法やコミュニケーションの取り方などまで、社会人として仕事をするのに必要な基本をトレーニングします。
就活支援
就活支援は、企業で行うインターンの応募や、興味のある業界の企業研究などに最新の情報を提供し、必要であればインターン実施を企業に提案します。
また、積極的に企業を招待した見学会を開き、就労移行支援に通所している人たちのPRに務めます。
定着支援
入社後は、今までも6ヶ月の定着支援として定期的な面談を本人と上司と行っていますが、2018年4月からは新しく別に『就労定着支援』の制度が出来て最長3年利用が出来ます。
全般性不安障害が心配でも、定期的に就労移行支援のスタッフが面談で状況を確認するので、必要に応じて上司に話をして改善できるような環境を維持します。
-コメント-
全般性不安障害の人の利用に一押しなのは、全般性不安障害のサポート実績が豊富な『LITALICOワークス』と『ミラトレ』です。
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まとめ
全般性不安障害の人が就職や転職で仕事を探す一番良い方法を解説しました。
仕事を探す準備が出来ている人で、手帳を持っている人か取得予定の人は、『人材紹介会社』を利用すると自分に一番合っている仕事を早く見つけることが出来ます。
手帳があっても無くても仕事をするのに不安があり準備が必要な人は、『就労移行支援』から始めるのが良いでしょう。
ただし、就労移行支援では準備は出来ても仕事を紹介していない所もあるので、最終的には人材紹介会社の利用を考えておきましょう。
また、人材紹介会社も就労移行支援も数多くあります。
焦っていい加減に決めないように、しっかり見学や話を聞いてから利用をするところを決めましょう。