新卒の働き方

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こんにちは、当サイトのアドバイザーのKです。


今回は、無料個別相談に寄せられる相談からです。
障害者雇用枠か一般雇用枠で働くか悩んでいる新卒の障害者からの相談です。

企業で10年以上障害者の採用をしてきた現役の担当者で有り、ここのアドバイザーが障害者の就職のプロとして障害者雇用枠と一般雇用枠の違いとおすすめする働き方を新卒の人へアドバイスします。

ここでわかること

  • 障害者でも一般雇用枠でエントリー出来るのか
  • 障害者雇用枠と一般雇用枠の違い
  • 企業採用担当者が薦める働き方

新卒の一般雇用枠と障害者雇用枠の働き方

まず最初に、「障害があるから障害者雇用枠でないと就職出来ない」と言う事はありません。
企業では、障害に配慮しながら一般雇用枠で採用することを進めています。

新卒の障害者は、一般雇用枠と障害者雇用枠、どちらからもエントリーが出来ます。
そこで、どちらがあなたに合った働き方か解りやすいようにまとめました。

働き方は3種類あります。

3つの働き方

  • 一般雇用枠の総合職(正社員)
  • 一般雇用枠の一般職(正社員/事務職)
  • 障害者雇用枠の一般職(契約社員/アシスタント)

新卒の障害者の職種
各職種の採用条件です。
採用条件の違い

一般雇用枠 障害者雇用枠
雇用形態 正社員 契約社員
職種 総合職or一般職 一般職
雇用期間 無期雇用 有期雇用
給与 月給制 月給瀬尾or日給月給制
賞与 有り 無し
昇給 有り 有りor無し
交通費 実費支給 実費支給
フレックス 有り 無し
在宅勤務 有り 無し
所定時間外労働 有り 無し
出張(国内外) 有り 無し
福利厚生 有り 有り
退職金 有り 無し
企業年金 有り 無し
各種セミナー 有り 無し
社内クラブ 有り 無し
コーポレートカード 有り 無し
名刺 有り 無し
全社会議 有り 無し
障害への配慮 有り 有り

一般雇用枠の総合職の仕事

将来、管理職が期待される幹部候補です。
仕事は、多岐にわたり色々な職種を経験して成長を期待される職種です。
ただし、成果や結果はアセスメントされ心身的な披露は常にあり、ストレスが貯まりやすいです。

メリット常に評価され、廻りと比較されているので、やりがいがある仕事です。
また、仕事の内容が直接企業の業績に関わってくるので、給料や賞与の設定が高くなっています。
デメリット同期の競争や、仕事の成果や結果など常にストレスから解放されることはありません。
また、配慮はあるとは言え障害を抱えた人にしか解らない我慢や努力は必要になります。

一般雇用枠の一般職の仕事

仕事は、総合職のサポート業務になります。
定型の業務が多く、幅広い仕事はありません。

一般職の呼び方は色々ありますが就いた部門によって呼び方が変わる場合もあります。
(営業事務/一般事務/貿易事務/秘書/経理事務)

メリット出張や転勤はまずありません。
責任のある仕事や、成果を求められることもありません。
デメリット成果が無いので評価がされにくく、昇給はあまり期待できません。
総合職から一般職へは変われますが、一般職から総合職へは変われません。

障害者雇用枠の一般職職の仕事

障害者雇用枠の一般職は、一般雇用枠の事務職のアシスタント業務です。
仕事の責任自体はそこまで高くなく、仕事量の控えめで求められる成果もそこまで高くありません。

障害への合理的配慮を優先した働き方が出来るのが特長です。

メリット障害者の求人に良くある事務アシスタントという職種になります。仕事は、ルーティン業務が殆どで、自分で判断したり考える事は無いので、ストレスはたまりにくいです。また、平日の定期通院も行きやすく、障害を優先に考えた優しい働き方ができます。
デメリット社内外で総合職の同期と比べると、やりがいが感じられません。
また、雇用形態による社内での扱いが違うので、差別を感じるかも知れません。

新卒の障害者雇用枠と一般雇用枠の総合職との給料の差

ここでは、違いを見て貰う為に解りやすく新卒の障害者雇用枠と、一般雇用枠の総合職の給料の差について解説します。
例として4大新卒で進めます。

厚生労働省の調査によると、大学卒業者の初任給の平均額は20万6,700円です。
障害者雇用枠の新卒のデータは厚生労働省に無かったので、今年度の私の所属している企業を参考に致します。

まず、解りやすいように表にしました。

一般雇用枠 障害者雇用枠
雇用形態 正社員 契約社員
基本給 206,700円 約180,000円
所定時間外労働 36協定以内 無し
各種手当て 資格・住宅 無し

36協定
時間外労働+休日労働の合計が
月100時間未満2~6か月平均80時間以内。

ここの表で見ると初任給は1割くらいの差ですが、大きく違うのは一般雇用枠では昇給が最低年1度はあります。障害者雇用枠の方も形として昇給があるようになっていますが、1%とか2%です。昇給1%ずつなら10年経っても198,000円(33-34歳)で、一般雇用枠の初任給より低いです。

一方、一般雇用枠で正社員として働いてきた障害者は、そのころ月収は厚生労働省がまとめた「賃金構造基本統計調査」では男女の平均(30-34歳)で309,200円です。
ここで、既に10万円以上の差がでました。

給料について業界や職種、企業によっても給料は変わります。
ここの数字は、格差がある事が解るように入れてあるとして見てください。

新卒の障害者雇用枠と一般雇用枠の年収の差

給料の差は解りましたが、ここでは更に年収で見てみます。
解りやすく変動のある残業や人によって変わる手当てを抜いた基本給で見てみましょう。
尚、税金はここから引かれます。

新卒で入社した年の例

一般雇用枠 障害者雇用枠
月給 206,700円 180,000円
賞与 平均2.4/年
496,080円
無し
合計 2,976,480円 2,160,000円


*入社1年目の賞与は冬のみの1回で計算しています。

  • 一般雇用枠:206,700円/月×12ヶ月+賞与/冬=3,472,560円
  • 障害者雇用枠:180,000円/月×12ヶ月=2,160,000円

10年後の例

この前の章の「新卒の障害者雇用枠と一般枠の給料の差」を元にします。

一般雇用枠 障害者雇用枠
月給 309,200円 198,000円
賞与 平均2.4/年2回
1,484,160円
無し
合計 5,194,560円 2,376,000円

  • 一般雇用枠:309,200円/月×12ヶ月+賞与/夏冬=5,194,560円
  • 障害者雇用枠:198,000円/月×12ヶ月=2,376,000円
年収について業界や職種、企業によっても年収は変わります。
ここの数字は、格差がある事が解るように入れてあるとして見てください。

障害者雇用枠の生涯年収

日本の一般雇用枠のサラリーマンの生涯年収は平均2.5億円と言われています。

障害者雇用枠の生涯年収は働き方によって変わりますが、フルタイムで定年まで働いたとしても、1億行かないくらいです。

入社したときの給料の差は26,700円位でしたが、10年後と生涯年収を比べても2倍以上の収入差が出ます。

新卒のもう1つの働き方

ここまで、解説してきた新卒の働き方は一般雇用枠と障害者雇用枠です。

ここで、もう1つの働き方を提案します。
多くの企業が採用している方法ではありませんが、2010年頃から外資から始まり、少しずつ増えてきています。

それは、「新卒の障害者雇用枠で正社員」としての働き方です。

今までも、新卒の障害者は正社員として働く事を選ぶことが出来ました。

新卒障害者の働き方
一見同じように見えますが、違いがあります。
2の方は、一般雇用枠では無く障害者雇用枠です。

障害者雇用枠は、合理的配慮の法的義務があります。

1の一般雇用枠で正社員で働く障害者にも企業では配慮がありますが、行き届いていなくて、障害者は正社員で働き続ける為に一般社員以上の努力が必要だったりします。

その為、体調を崩したり、障害が悪化して断念する人も少なくないのが現状です。

結果、退職まで進み数年のブランクが空いたり、次の転職にすすめないでいる人がたくさんいます。

ですが、2の障害者雇用枠で正社員で働くと、合理的配慮をしっかり受けながら、正社員として働く事が出来ます。

これが可能になった背景には、企業努力が有り一般社員への障害者への偏見や間違ったとらえ方を正す社員教育があるからです。

私の所属している企業でも、年数回管理者と一般社員と別けて障害を知るための講習を設けています。
その内容は、障害別に障害特性や必要な配慮を知ってもらい現場で活用してもらうような内容になっています。

このような取り組みで、新卒から障害者雇用枠で正社員として働くという選択肢が出来ました。

この働き方は、給料、生涯年収や、採用条件は一般枠雇用の正社員と同じで、障害者への合理的配慮があるのが特長です。

もちろん、総合職と一般職から選べるので、自分の希望に合わせてエントリーをする事が出来ます。

知っておいて欲しいこと新卒の障害者雇用枠で正社員として働く事が進んだ事を書く時に絶対に外せない事があります。

このような働き方が出来た背景には企業努力があったからと書きましたが、更に影の努力があります。

新卒が、障害者雇用枠で正社員として働けるように薦めてきたのは、障害者を戦力として長い間しっかり見てきたエージェントです。

企業へ新卒の障害者のポテンシャルの高さを伝えると共に、合理的配慮の必要性、それには社員教育が必要な事などをコンサルティングを通して伝えていった努力があったからです。

そこに力を入れていったエージェントがdodaチャレンジです。

今では、障害者の新卒専門の窓口を作り、コンサルティングをした企業へ新卒を紹介をしています。

まとめ

如何でしたでしょうか。
新卒の障害者雇用枠での働き方と一般雇用枠の働き方、更にもう1つの働き方について解説してきました。

簡単にまとめます。
新卒の障害者の働き方は5つあります。

新卒の働き方

  1. 一般雇用枠の総合職(正社員)
  2. 一般雇用枠の一般職(正社員)
  3. 障害者雇用枠の一般職(契約社員)
  4. 障害者雇用枠の一般職(正社員)
  5. 障害者雇用枠の総合職(正社員)

私が新卒の障害者に薦めたいのは、1番が障害者雇用枠の総合職で、2番が障害者雇用枠の契約社員です。

理由1番目の理由は、障害者雇用枠の総合職で、思いっきり挑戦してみて欲しい。
もし、途中で大変だったら一般職に変わればいい。

2番目の理由は、障害者雇用枠の契約社員として、障害と体調を調整しながら自分のことを大切した仕事をして欲しい。

逆に進めたくないのが、一般雇用枠の総合職、一般職で正社員として働く事です。
それは、とても自分にリスクがあり、大変でつらい思いをする事になりかねないからです。

この先、長い社会人としての時間を考えると、自分を大切にして欲しいと思います。

障害に不安がある人は、、無理をしないで障害者雇用枠で契約社員を薦めます。
障害に関係なく、自分が選んだ企業で頑張ってみたいと言う人は、障害者雇用枠で正社員で働く事を薦めます。

障害者雇用枠で正社員として働くのであれば、dodaチャレンジに相談をしてみましょう。
あなたの希望する業界、職種、採用条件が見つかりますよ。

dodaチャレンジへの相談はこちらから出来ます。

dodaチャレンジ公式サイト
https://doda.jp/challenge/