障害者の在宅勤務とフレックス

障害者の在宅勤務や、時差出勤が出来るフレックスタイム制は、障害者にとって多くのメリットがあります。
通勤の困難な人や、体力的に困難な人、混雑を避けたい人にはとても向いている働き方です。

でも、この在宅勤務もフレックスタイム制も、1種類ではないのは知っていましたか?

思っていた「在宅勤務」と違うとか、えっ「フレックスタイム制」ってそうなの?とならないように、しっかり知識を付けておきましょう。

そこで、今回は今後転職先を選ぶ条件の1つになる障害者に優しい働き方の、「在宅勤務」と「フレックスタイム制」について解説します。

その前に1つ注意

在宅勤務について解説する前、まず在宅勤務にはきく分けて2種類あります。

1つめは、企業の一員サラリーマンとしての在宅勤務
2つめは、フリーランスもしくは起業しての在宅勤務

今回はこの1つめの「企業の一員サラリーマンとしての在宅勤務」が対照です。

障害者のサラリーマンとしての在宅勤務は種類がある

サラリーマンとしての在宅勤務と言っても、種類があります。

  • 1つは、企業のルールで決められた時間や日数に制限がある在宅勤務
  • もう1つは、制限の無い在宅勤務

これを設定している起業は、障害者のためだけでは無く、全社員を対象にしています。
もちろん、障害者を対象とした在宅勤務を作っている企業もあります。

障害者としては、制限の無い在宅勤務が魅力的です。
これを以前より実施している有名な企業がApple Japan合同会社です。

今は、すこしづつですが制限の無い在宅勤務を実施している企業が増えてきていますが、Apple Japan合同会社が先駆けでした。

障害者の2つの在宅勤務のメリットとデメリット

制限のある在宅勤務
メリット

  • 企業組織の中の動向がわかり、コミュニケーションをしっかり取りながら、自分の仕事や体調に合わせて在宅勤務を計画的に利用できる。
  • 体温コントロールが出来ない障害者が、室温を自分に合わせて調整できる

デメリット

  • 決められた日数や時間の中なので、思うように在宅勤務が出来ない。
  • 急な在宅勤務の利用はできない。
  • 毎回、承認が必要な事が多い

制限の無い在宅勤務
メリット

  • 人に合わせる必要も無くマイペースでいられる
  • 周囲の目や雑音が気にならない
  • 室温が自分に合わせて調整できる
  • 出社する必要がないので、始業ギリギリまで自分の時間として使える
  • 自宅なので、天候による通勤の心配がいらない
  • 終業後すぐに自分の時間として使える

デメリット

  • 報告、連絡、相談がリアルタイムで思うように行かない場合がある
  • 仕事とプライベートのメリハリがつけにくい
  • 自己管理能力が問われる
  • コミュニケーション不足になりがち
  • 必要な情報が抜ける
  • 親睦はない
  • 疎外感がある

在宅勤務の総合的なデメリット

  • ネットやインフラ次第で仕事が中断する。もしくは出来ない。(制限のある在宅勤務であれば、次の出社日に行える)
  • ネット以外のセキュリティ対策は自己責任
  • ネットやインフラ、電気代は自費
  • サーバー、ネットのダウンや停電時は、仕事にならないことが多い

このように、在宅勤務は便利な一方、まだまだ不便だと感じるところはあります。
ですが、障害者にとってはメリットの方が多く感じられます。

在宅勤務で給料は変わるの?

在宅勤務をすることで、給料に変化があるのか気になりますよね。

これについては、基本給に変化はありません。
変化があるのは、毎月支給される交通費です。

制限のある在宅勤務では、出社日数分の交通費が出ます。
出社が必要で無い在宅勤務は、基本交通費は出ませんが、基本在宅勤務でも付きに1回とか、定期的な出勤があるのでその分の交通費は支払いされます。

また、交通費とは他に多くの企業では在宅勤務で利用するネット通信費や電気代を3,000円~5,000円位の間で支給されている所もあります。

在宅勤務で気をつけること

在宅勤務は、基本自宅をオフィスとして仕事をするので、いくつか気をつけないといけない事が有ります。

1.仕事の部屋への家族出入り

これは、自宅で家族の出入りが可能な場合は制限をしましょう。
いくら自宅だとはいえ、企業の仕事をする訳なので、コンフィデンシャルなものやセキュリティが高いものも存在すると最初から仮定し、施錠が出来る事が望ましいです。
もし、施錠が難しいとしても、家族にはしっかり説明をして仕事をする部屋の出入りを制限しましょう。

2.仕事場所の衛生面

自宅だからと言って、不衛生な管理は行けません。いつも、しっかりとホコリがたまらないようにし、ゴミはキチキチと捨てましょう。

3.始業開始と就業時間

自宅とは言え、始業時間の10分前には仕事が出来る状態になっていないと行けません。
終業時間もルールに従いきちっとしましょう。

4.残業

自分の仕事だからと言って、残業を申請しないでいつまでもダラダラと仕事をするのは良くありません。仕事の進め方にも問題があります。例え自分1人だとしても決められた時間でルールに従いましょう。

5.健康管理

健康面の管理をを怠っては行けません。体調を崩した場合は、報告してしっかりと休むことをします。

6.社員の責任

出社しなくても、企業の一員であることを忘れては行けません。社員として責任のある行動をしましょう。

在宅勤務を取り入れている企業の紹介

ここで、在宅勤務が気になる方へ在宅勤務を実施している企業を紹介します。

障害者を対象としているのではなく起業として取り組んでいる所です。
全てではありませんが、主な企業を挙げてみます。

制限のある在宅勤務を実施している企業

  • 日産自動車株式会社
  • (株)NTTデータ
  • KDDI(株)
  • 日本オラクル(株)
  • 住商情報システム(株)
  • 日本HP(株)
  • (株)ローソン
  • (株)ベネッセコーポレーション
  • アクセンチュア
  • 昭和シェル石油(株)
  • アサヒビール(株)
  • 積水ハウス株式会社
  • 東京急行電鉄株式会社
  • 株式起業三井住友銀行
  • マツダ(株)
  • (株)カネボウ化粧品

など

制限のない在宅勤務を実施している企業

  • Apple Japan合同会社
  • 日本IBM(株)
  • 富士通(株)
  • 株式起業日立製作所
  • NTTコミュニケーションズ(株)
  • 株式起業リクルートホールディングス
  • カルビー株式会社
  • サイボウズ株式会社
  • 日本マイクロソフト

など

ここでは、紹介しきれませんが他にもたくさんの企業が在宅勤務を実施しています。
また、地方自治体でも取り組みは出てきています

フレックスタイム制を利用した働き方

ここまで、在宅勤務について解説してきて、在宅勤務は良い面もあるけど、ちょっと面倒だなって思った方もいると思います。
一見楽そうな在宅勤務ですが、制限の無い在宅勤務の場合、とくに気をつけることが多くて逆に面倒になってしまいかねないと思うのも事実です。

その場合は、フレックスタイム制を利用すると良いです。
フレックスタイム制は、就業時間の全て、または決められた時間以外で自由に終業時間を決めることが出来る働き方です。
在宅勤務が出来るような環境の企業であれば、フレックスタイム制は導入済みの所が多いです。

例えば、終業時間全てをフレックスタイム制にする場合
(1日の終業時間が8時間場合)
12:00 -21:00までや、4:00-13:00を自由に終業時間にすることが出来ます。
(中1時間休憩)
部門ごとに普通は制限があります。営業では難しいです。
決められた時間以外でフレックスタイム制にする場合
(1日の終業時間が8時間場合)
決められた時間(コア時間)
11 :00-15:00
この場合は、11:00-15:00は絶対に出社していないとなりません。
なので、7:00-16:00とか8:00-17:00または、11:00-20:00といった就業時間になります。
制限の無い在宅勤務が、かえって面倒に思った人も、このフレックスタイム制を制限のある在宅勤務と併用して利用する事で、制限の無い在宅勤務より、働きやすい環境を実現できます。

組み合わせは自由ですが、こんな事が出来ます。

月曜日から水曜日は11:00-20:00まで仕事をして、通勤ラッシュを避けます。
木曜日は7:00-16:00間で仕事をして早く帰宅します。
金曜日は、在宅勤務をします。
そうすると、木曜日の早い時間から日曜日までは自宅で体を休ませることが出来ます。
また、月曜日は出社が11:00までなので、体も楽です。

フレックスと在宅勤務の図

このように、フレックスタイム制を上手く利用すれば、制限の無い在宅勤務でなくても、体には優しくでき、仕事も疎外感がなくコミュニケーションも上手く取れるバランスの良い働き方が出来ます。

在宅勤務とフレックスタイム制のある企業の探し方

障害者の働き方に優しい在宅勤務とフレックスタイム制のある転職先の探し方です。

転職先を探すとなると、多くの人が利用するのが、「ハローワーク」「転職サイト」「転職エージェント」等がありますが、おすすめはエージェントの利用です。

どうしてかというと。

まず、ハローワークで探すのはおすすめしません。
情報はありますが、在宅勤務とかフレックスタイム制での検索が出来ないので探すのが大変です。

実際にハローワークのインターネットサービスでかなり検索しましたが、条件に書かれている企業はありませんでした。

次に多くの人が利用している転職サイトですが、全国対応の3社で確認してみました。
dodaチャレンジは、在宅勤務ではヒットしませんがフレックスではヒットします。
アットジーピーも、在宅勤務ではヒットしませんがフレックスではヒットします。
ランスタッドは、検索できませんでした。

転職サイトも、多少は検索できますが1件1件全て確認していくのは大変です。

転職エージェントは、無料登録をすればメールや電話やオンラインで利用が出来、直接条件を伝えれば、それにあう求人を紹介してくれます。
在宅勤務とフレックスタイム制だけが条件では無いので、残りの希望条件も一緒に伝えればあなたの要望にピッタリあった求人を紹介してくれます。

ただし、エージェントを活用する時、気をつけないといけない事があります。
それは、エージェントには転職先として得意としている職種や年代があります。

自分の要望とエージェントが得意としている所が合っていないと、良い求人がなかなか紹介されない何てこともあるので、利用するエージェント選びはどこでも良いのでは無く慎重に選ばないといけません。

エージェントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
7つの障害者の転職エージェントとサイトを比較評価したおすすめランキング

まとめ

ここまで在宅勤務とタイムフレックス制について解説してきましたが、仕事をするイメージは出来たでしょうか。

これからは、在宅勤務もタイムフレックス制も当たり前の働き方です。
障害者・健常者に関係なく自分に合った働き方を選べるような時代になってきました。

そして、これだけではありません。
色々な企業で障害者が働きやすい環境を整えています。

その中には、あなたに合った働き方がきっと見つかるでしょう。

ここまで、お読みくださりありがとうございました。
最後に在宅勤務のある仕事を探すのにおすすめなエージェントを紹介します。

ランスタッド公式サイト
https://www.randstad.co.jp/
『対応エリア:全国』外資系のグローバル企業です。精神保健福祉士が常駐しているカウンセリングが好評で、正社員・キャリアアップへの提案力があります。配慮のある環境でキャリアデザインをするのに最適です。

dodaチャレンジ公式サイト
https://doda.jp/challenge/
『対応エリア:全国』パーソルグループの特例子会社パーソルチャレンジが運営元です。自社が特例子会社だからこそ、障害のある人に寄り添った提案が出来ます。グループの保有する企業情報からの提案力はパワーがあります。

アットジーピー公式サイト
https://www.atgp.jp/
『対応エリア:全国』求人案件数が多く、業界では1-2位を競います。首都圏のみだけではなく地方の求人にも強くUターンやIターンで仕事を探す時に提案力があります。