障害者のサテライトオフィス

●サテライトオフィスとは?
●一般のオフィスと何が違うの?
●サテライトオフィスで働きたい

障害者向けサテライトオフィスが気になりますか?そのような人に解りやすく解説します。現在働いている人の生のコメントも紹介しています。障害者向けサテライトオフィスを良く知ってください。

障害者向けサテライトオフィスとは

サテライトオフィスとは、本社や支社から離れた場所で仕事が出来るワーキングスペースのことです。語源は、衛生(サテライト)からきていて、本社や支社の周りにある小規模オフィスを指します。

サテライトオフィスは、自社で専用として利用するタイプと複数社で共有して利用するタイプがあります。

一般のサテライトオフィスは、多様化する働き方やワークライフバランスを目的としています。利用は、単発的でその都度必要に応じて利用します。一方、障害者向けのサテライトオフィスは、利用を前提とした雇用形態です。

障害者向けサテライトオフィスの3つのモデル

障害者向けサテライトオフィスには3つのモデルがあります。

  1. 自社モデル
  2. 民間モデル
  3. 公共モデル

自社モデルとは

自社モデルとは、自社オフィスの一部または外部にサテライトオフィスを作りジョブコーチやスーパーバイザー等を配置して運営管理をするタイプです。例としては2019年に設立したアクセンチュアのサテライトオフィス等があります。

民間モデルとは

民間モデルとは、事業目的で障害者を雇用することを目的として作ったサテライトオフィスをブースごとに企業に貸し出すタイプです。仕事の管理は採用した自社で行いますが、体調管理や障害特性を考慮したサポートは運営をする民間企業が行います。特徴としては1つのオフィスに色々な企業のブースが入ります。例としては株式会社AOKIなどがあります。

公共モデルとは

公共モデルとは、国や自治体が運営管理するサテライトオフィスです。主に中小企業が利用する目的で設置されています。

障害者向けサテライトオフィスの特徴

障害者向けサテライトオフィスの特徴は、障害者に働きやすい環境や専門家を配置することで、ひとり一人にあった合理的配慮が出来る事です。

このように、障害者の為に考えられたサテライトオフィスですが、障害者にとってメリットとデメリットがあります。

障害者向けサテライトオフィスのメリット

  • 通勤の負担が軽減される
  • 障害者の採用に慣れていない企業で働くことはないので安心
  • 障害特性に詳しい専門の人が常時近くにいる
  • 一般社員がいないので伸び伸び仕事ができる
  • 障害への合理的配慮ができている

障害者向けサテライトオフィスのデメリット

  • 仕事でわからないことなどその場で聞けない
  • 閉塞感や孤立感がある
  • 取り敢えず仕事があるだけ
  • 収入面で期待できない
  • 将来性がない

このように、メリットもデメリットもありますが、全てのサテライトオフィスが対象ではありません。どのサテライトオフィスも障害者が働きやすい職場を目指しているので問題があれば改善されます。

障害者向けサテライトオフィスでの業務例

自社モデル 民間モデル 公共モデル
業務 ・本支社事務
総務、人事
経理、法務
営業事務、
リサーチ、など
・Web、IT開発
・本支社事務
総務、人事
経理、法務
営業事務、
リサーチ、など
・Web、IT開発
・本支社事務
総務、人事
経理、法務
営業事務、
リサーチ、など
・Web、IT開発

資料:厚生労働省(パーソルチャレンジ)

厚生労働省の資料から見ると、サテライトオフィスにおける業務はモデル別に関係ありません。業務内容は、主にバックオフィス系になります。

障害者向けサテライトオフィスが向いている人

サテライトオフィスに向いている人

  • 障害特性に配慮された働き方をしたい
  • 障害を考慮した専門サポートが必要
  • フルタイムでの仕事が難しい
  • 通勤が難しい
  • 通院がしやすい

サテライトオフィスに向いていない人

  • キャリアを考えた仕事をしたい
  • パフォーマンスが高く見合った仕事を望む
  • 少しでも給与が高い仕事がしたい

障害者向けサテライトオフィスで働く人の声

障害者向けサテライトオフィスで働いている人と、働いたことがある人のコメントをクラウドワークスのアンケートで集めましたので一部を紹介します。

アンケート:クラウドワークス

女の人S.Aさん
身体障害

通勤のしやすさや働きやすさという意味では、利便性も高く、とても良いなと思っています。仕事内容としては主に総務事務で、勤怠管理勤怠状況報告業務や書類整理、会社に届いた荷物の伝票整理などの細かい仕事を担当しています。


男の人T.Aさん
精神障害

以前、事務職としてサテライトオフィスで働いていましたが、様々な障害を持った人がいるので、人によって配慮しなければならないことや苦手な仕事もあるので、かなり気を遣って仕事をしていました。私も障がい者なのですが、自分のこと以上に同僚のことを考えていたため、精神的に疲れました。

もっと見る >
女の人O.Sさん
精神障害

外国人に関する事務仕事。働いていた際は、静かで目の前が公園だったこともあり少し心はゆとりを持って働くことができていたのではないかと思います。小規模スペースで、人数も多くない環境であったので変化も少なく精神疾患持ちとしては働きやすさはあったかと思います。


女の人N.Mさん
精神障害

サテライトオフィスで働けるようになった事で精神的に救われました。デザイナーの委託業務をしています。好きな時間に自分のペースで仕事ができるので企業に勤めていた時より、遥かに精神的ストレスを感じなくなりました。


男の人R.Hさん
精神障害

商品を仕分けする軽作業をしていました。仕事内容はパレットに積まれて届いた商品を、リストを見ながら仕分けをして、行き先ごとに折りたたみコンテナに詰めて、トラックに積める状態にして宛名を貼るという作業内容でした。


女の人A.Iさん
精神障害

サテライトオフィスでは簡単な事務作業をしていましたが周りに障害を持つ人間が私しかいなかったので中々障害者に対するサポートの仕方などが分からず、同僚、上司に気を使わせたり心配をかけていた感じがしました。またその結果職場に居づらくなり退職しました。


女の人O.Mさん
精神障害

会社の雰囲気とは全然違って、職場とは思えない程、ステキなオフィスでした。仕事は事務職で、パソコンで作業を主にしていました。一番助かった事は、自宅から近い所にオフィスがあるので、体調が悪い時、すぐに帰れる事です。とても便利だと思いました。


女の人K.Kさん
精神・身体障害

健常者の方5人と、総務の給与計算をやっていました。私は中途難聴なので、いつも筆談でやりとりをしていました。書く字にも気持ちや性格が出るので、私も他の社員も筆談はとても面倒だと思っていたと思うのですが、メールでのやりとりになったので会社の雰囲気に取り込まれることもなく、感情をぶつけてくるわけでもないので私自身はとても仕事がしやすかったです。


男の人N.Mさん
精神障害

みんなが明るいオフィスで働けるのはとてもいいと思います。精神障害は再発しやすいので、私にとってはとても良い環境でみんなと話を合わせられるのはとても良いと思いました。今までのあった事とか話し合える機会があるのはとても有意義な時間を貰える場所と思いました。


男の人M.Kさん
精神障害

職場へ定着するということが難しい状況にあって、決まった文章を翻訳するだけの仕事内容は非常に魅力的なものでした。またサテライトオフィスは職場での小さな人間関係のトラブルをお互い回避させることにつながるため、今後も継続して行っていきたいと考えています。


女の人U.Sさん
精神障害

LINEスタンプの作成をしています。紙にイラストの下絵を描いて指導者にチェックをしてもらうのですが、指導者と別々の場所で仕事をしているため、メールでは修正箇所や細かい指示がうまく伝わらないことが多くあります。困ることが多い印象です。


女の人O.Tさん
精神障害

オフィス環境は、バリアフリーや精神障害以外の障害の方も、働きやすい環境が整えられていてとてもよかったです。業務内容もその人の出来る仕事をヒアリングしてからあった事をさせていただけて色々と考えて頂きました。一人一人面談で細かくヒアリングしてくれて寄り添って仕事を支援してくれたので清掃という仕事でしたが、やりがいをもって行えたと思います。現在は、体調をくずしていったん休職しています。


男の人M.Sさん
精神障害

服のデザイナーの仕事をしています。サテライトオフィスで働いていて良かった点は、オフィスが病院から近いと言うことです。何かあったときにすぐに病院に行けるのがとてもいいと思いました。一緒に働いている方たちも理解ある人ばかりで、少し気を使うこともありますが皆さんに助けられて働いているので安心感があります。


男の人K.Kさん
精神障害

サテライトオフィスでWEBデザイナーとして働いていたことがあり、自分と同じような障がいを持っている方たちと支え合えたところが良かったです。通常のオフィスに比べて周囲にいる人が少なくて、自分の作業に安定した気持ちで集中できて、予想外の事態が起きてパニックになってしまいそうな時でも、同様の精神障がいを持っている他社の方たちに励ましてもらい冷静さを取り戻せて助かりました。


男の人O.Kさん
精神障害

事務作業入力のようなお仕事をさせて頂きました。私自身精神障害者で人との関りが苦手だったので、サテライトオフィスでの働き方はストレスなく働くことが出来たので本当に良かったです。ストレスフリーで気持ちよく自分の仕事に集中できました。


女の人A.Gさん
精神障害

IT関連でお仕事をしているので一人でお仕事を行う際があります。私自身狭小症という障がいがあります。漢字の通り狭いところを苦手分野としています。サテライトオフィスは広かった事で狭小症の私でも安心してお仕事を行えました。


男の人A.Oさん
身体障害

仕事自体は伝票処理や営業の売上の纏めなどどこでも出来る業務だったためそんなに変わりはなかったが席がフリーアドレス制だったためいつもと違った席で業務を行なっていたためとても新鮮な気持ちで毎日業務を行うことが出来た。


女の人T.Yさん
身体障害

私は事務処理の仕事をしていますが、サテライトオフイスノおかげで通勤が楽になりとても喜んでいます、身体に障害があるため、一番大変なことは、なんといっても通勤がとても大変なのですが近くにサテライトを作ってくれたことで、とても楽になりました。


女の人 M.Yさん
発達障害

都市部に本拠を置く会社が、地方のサテライトオフィスを設置していたところで働いていました。個人的にはとても通勤が楽でしたし、周りの配慮もあったので、メリットはあっても、特にデメリットは感じませんした。私は事務職をしていました。


男の人S.Aさん
精神・発達障害

データ入力やパソコン操作、情報管理などの仕事をしていました。落ち着いた環境でしっかりと仕事に集中できる点が有り難かったです。自宅でのオンライン業務とは違って、空間設計や使用するパソコンが仕事に適したもので揃えられているので、その点も嬉しいポイントです。

障害者向けサテライトオフィスの選び方

最後に、障害者向けサテライトオフィスの選び方を紹介します。まず、おすすめは自社モデルです。自社モデルが出来るのは潤沢なコストがかけられる大手企業が多く、障害への配慮と仕事の両立が出来るので長く安定して働くことが出来ます。

次は、民間モデルも良いでしょう。ただし、自社モデルより孤立感や疎外感はあるかもしれません。ですが、サテライトオフィスを利用している他の企業の障害のある方との交流が出来るのはメリットでしょう。

探し方ですが、私はパーソルチャレンジが運営するdodaチャレンジをすすめます。理由は、この記事でも資料として利用しましたが、厚生労働省の「障害者のサテライトオフィス雇用推進マニュアル」を作成していて、とても詳しいからです。

また、働き方としてサテライトオフィスと一般のオフィスで悩んでいる方もいるでしょう。そのような相談も、障害者の求人案件が業界で一番多いdodaチャレンジが向いています。あなたの相談をじっくり聞いて一番合っている働き方を提案してくれますよ。

dodaチャレンジに相談

その他の、障害別、年代別、地方別など色々な条件で相談したい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

【総合案内】7つの障がい者におすすめの転職エージェント&求人サイト >