当メディアの無料個別相談によく相談があるのがブランクについてです。
しかし、気にしてもブランクは消せません。
では、そのブランクは今後も障害者採用では問題視されていくのでしょうか。
いま、職につけていない障害者は、今後ずーっとブランクに悩まされ続けて採用されないのでしょうか。
いえ、そんなことありません。
当メディアが、解決方法を解説します。
-ここでわかること-
- ブランクのある障害者を企業がどう見るか
- ブランクがある場合の対策
企業は障害者のブランクをどう見る
障害者の採用担当者は、送られてきた応募書類の転職回数とブランクをまず見ます。
学歴や、資格などは最初にはみません。
なぜブランクを問題とするかというと、そこが障害との関連が高いと考えているためで、採用後しっかりと就業が出来る状態になっているか(回復している)、見極めるためです。
多くの障害者が、障害を負った起因となる病気や怪我がそのブランクの起因でもあり、また障害がもとでブランクを作るような体調不良が起きていることが多いからです。
なので、ブランクがある事が何が何でもダメではないのです。
ブランクより、その起因となった事を気にかけているのです。
一部の企業の障害者採用担当者は知識も経験も浅く採用担当者として不十分な人達が、障害者の採用判断のひとつとして、ただ長いブランクはNGだという悪しき知識だけで、そのブランクを配慮することなく判断をするため、長いブランクはNGと言われています。
ですが、障害への配慮を考えられて、人事の採用担当者として熟練されている人事マンからすると、ブランク=NGではありません。
補足すると、障害者の配慮を考えられなくても、考えられる人に聞くという行為が出来る人です。
分かりやすく言うと、産業医や保健師などと連携をして障害の配慮と人物像とパーフォーマンスとキャリアを見られる採用担当者であればという事です。
外部の支援者や就労移行支援との連携もありです。
実際に、このブログのライター達が所属している企業では、障害ごとにそれぞれのスペシャリストと連携してアドバイスをもらっています。
要は、プロの採用担当者が見れば、ブランクが必ずしもNGではないという事です。
障害者のブランクがNGになる理由
障害者のブランクがNGになる理由は、ブランクの原因が解決していない場合です。
例えばブランクの起因となった怪我や病気が治療中の場合などです。
その場合は、治療がいったん終了して、医師からの診断書で就業可能と見だされればブランクは解決です。
経過観察中の場合は、いったん治療は終わっているので、通院しながらでも解決と見ます。
採用担当者は、ブランクの起因が解決すれば、あとは募集しているポジションに合わせて採用の可能性を見ていきます。
障害者の選考でブランクがNGになるタイミング
障害者の選考でブランクが原因でNGになるタイミングが一番多いのは、書類選考です。
面接の応募書類が何度も通過できない多くの人は、ブランクか転職回数が関係している事が多いです。
>>障害者の転職回数と理由を採用担当者はどうみる?
何度出してもNGになる場合は、応募した書類を見直してみましょう。
まさかと思いますが、書類が通過しないのは、たまたまだとか、人事の見る目が無いとかと思っていないですよね。
そして、通過しなかった書類をそのまま見直さないで使いまわしたりしていませんか。
パソコンでデータとして作っている場合、その都度そのまま出力すると応募する紙は新品ですが、データは変わっていません。
通過しなかった書類は、そこに何か問題があるはずです。
必ず、見直しましょう。
見直すポイント:ブランクが解決したという事が書類から伝わっているか。
ブランクについては、書類選考通過後の1次選考でも必ず聞かれます。書類と同じ内容が言えるようにしておきましょう。
障害者の就職と転職は履歴書が肝心です。書類選考で落とされていては先には進みません。なぜ書類選考が通過しないか、それは採用担当者が履歴書を見たときに、必要な内容がよく分からないからです。そこで、採用担当者自ら、この内容で記入して欲しい、こんな事が知りたい、ということをまとめた履歴書のテンプレートを作成しました。記事内ではマニュアルを用意してあります。文中で作成した履歴書のテンプレートがパソコン用と手書き用としてダウンロード出来ます。
ブランクがある場合の対策
ブランクの理由がはっきりしていて1年から1年半未満のブランクの場合の対策としては、いくつかありますが一番説得力のあるものは医師の診断書の原本です。
ただし、お金がかかります。なので、応募書類を複数だす場合は、医師の診断書としては効力が薄れますが、診断書を開封してコピーを使う事もありです。
-補足-
この場合の診断書は保険がきかない診断書となり、病院ごと値段が変わりますが、相場として2500円くらいから5000円未満内くらいです。(経験から)
次に、応募書類に添付する書類を自分で作成します。要点は下記のようにすると良いでしょう。
- ブランクの起因となった事
- 起因となったことの現状
- 今後の治療方針がある場合は書き、完治している場合は完治を明確に書く
長文にする必要はなく、履歴書に書ける欄があればそこに書いても良いし、書く場所がない場合は別紙に書いて同封しても良いです。
障害者の転職エージェントを利用している場合は書類の作成も見てくれるので、添削してもらうと良いでしょう。
当メディアへの相談では、専任のカウンセラーが2名付く『ランスタッド』をすすめています。
では、ここからは
障害者のながーいブランクや、理由に困るようなブランクがある場合の対策について
ブランクの理由は人それぞれで、どれも全てきれいに理由が言える場合ばかりではありません。
特に、数年のブランクがある場合は説明文を書く方も読む方も嫌になります。
それでは、肝心な書類選考はいつまでたっても突破できません。
かと言って、数年のブランクを簡単に説明できれば良いかというと、説得力に欠けます。
面接まで行けば口頭でも説明が出来ますが、その前の書類選考では文字だけで納得のいく説明を簡素にしなければなりません。
とても難しいです。
ではどうしたらこの状況を突破できるか解説していきます。
ブランクを問題とさせなくする方法
この記事の冒頭でも書きましたが、ブランクは消せません。
しかし、ブランクを問題とさせなくする方法はあります。
それは、ワンクッション入れます。
例えば、ブランクの後に就業実績がある程度の期間あり、それからは間が空いていないとか、現在在籍中という状態を作ります。
こうすることで、ブランクの間は帳消しにはなりませんが、ブランクの起因となっていた事はクリアできたと裏付けさせるのです。
これであれば、「以前はブランクの起因となっていた事に苦しみましたが、今はそれもなくなり仕事が出来る状態です。」というような説明で良いです。
書類選考では、それで十分でしょう。
後は面接時に直接聞かれると思うので、しっかりと受け答えできれば問題ありません。
ワンクッション先はどうするの?
ワンクッションと言っても、そもそも、「そのワンクッション先に勤められないよ」と言うかもしれませんが、方法がいくつかあります。
トライアル雇用
1つ目は、障害者のトライアル雇用を利用することです。
相談窓口は、ハローワークになります。
特に今は以前と違って厚生労働省で推進していて、助成金も出るので取り組む企業も増えています。
この障害者のトライアル雇用を使ってワンクッションを入れるのも良い手です。
トライアル雇用を行っている企業は、障害者が何らかの不安や問題を抱えているからトライアル雇用から始めたいという事も理解しているので、障害者枠の求人より、さらにハードルが下がります。
もし、トライアル先が良い企業で、自分に合っていると思えたなら、そのまま採用を希望するのもありです。
他社への就職を目的としている場合は、トライアル雇用中(期間が終わる直前)に、転職エージェント経由で応募書類だけでも出しておきましょう。
トライアル雇用については、こちらの記事に詳しく書かれています。
-関連記事-
>>トライアルから社員へ!障害者に知ってほしいトライアル雇用
就労移行支援
2つ目は、就労移行支援を利用することです。
ただし、あまりおすすめできません。
理由は、利用希望者が待機している人が多く、すぐに使える場合ばかりではない事と、人によっては向いていない場合があります。
就労経験が少いか、無い方には向いていると思いますが、企業での就労経験がある方には、物足りないので続かなくてかえってブランクになる結果になってしまうかもしれません。
就労支援については、こちらの記事に詳しく書かれています。
-関連記事-
>>【就労移行支援おすすめランキング10選】あなたにピッタリが見つかる
障害者職業能力開発校
3つ目は、障害者職業能力開発校を利用することです。
国リハの場合の募集は身体傷害者、精神障害者は年に8回、知的障害者は年2回と多いですが、他の地域にある障害者職業能力開発校は年に1回です。
内容は、何度も見学していますが目を見張るような技術力や知識があります。
なので、募集時期まで待てる時間がある人や、就業経験が少ない方には向いていると思います。
インターンシップや、ラーニング系のプログラム
4つ目は、企業が独自で実施しているインターンシップや、ラーニング系のプログラムです。
実施しているのは、マイクロソフトのITラーニング2年や、ヒューレットパッカードのSeedセンターの2年などがあります。
他の企業でも、色々な取り組みをしている所があるので、調べてみると意外と自分に合った良い企業があるかもしれません。
IT ラーニングとSeedセンターについては、他の記事で詳しく説明していますので、興味のある方は見てみてください。
-関連記事-
>>【詳細解説】ITラーニング/Microsoftの障害者採用
>>やっぱりすごい!ヒューレット・パッカードの障害者採用の取り組み
その他の企業の取り組みを知らべる時は、転職エージェントに相談するのがお勧めです。
転職業界のプロですからね。
障害者枠の紹介予定派遣
5つめは障害者枠の紹介予定派遣です。
これは、障害者が企業の求人に、転職エージェントから派遣社員として仕事に行きます。
普通の派遣社員と違うところは、紹介予定という所です。
これは、最初に期間を決めておいて、その期間の終了する時に、企業と障害者の双方が合意すれば、契約を派遣から切り替えて、企業で正式に雇用するという働き方です。
ただしそこで企業の正社員になるか、契約社員になるのかは合意した内容次第になります。
メリットは、働くのが不安だったり、仕事先の企業に慣れるか心配な時や、前職からブランクが長く空いてしまった時などに利用が出来るところです。
その他にも、紹介予定派遣で契約が切り替わらなくて、派遣修了になった場合でも、他社にまた紹介予定派遣で仕事に行けます。
これであれば、ブランクは無くなりますし、その間に転職先も探す事が出来ます。
>>【障害者が登録する派遣会社は2社】それよりおすすめは人財紹介会社
以上5つが、ワンクッション先の候補先として選出しました。
どれが自分に合っているか、良く考えてみてください。
-当メディアのおすすめ-
1つ目のハローワーク経由でトライアル雇用を利用する事と、4つ目の企業が実施するラーニングや、インターンシップを探す事と、5つめの紹介予定派遣がおすすめです。
時間をかけずに、すぐどこかの企業に採用されることを希望するのであればトライアル雇用か紹介予定派遣がいいです。
時間をかけて給料を支給されながら、じっくり仕事を探すのであればラーニングとインターンシップか紹介予定派遣が良いと思います。
まとめ
障害者のブランクは、採用担当者が応募書類の中でしっかりと見るところです。
ですが、ブランクがあるからと言って、必ずダメではない事をわかってもらえたかたと思います。
短いブランクの時は、医師の診断書か自分で書いた説明書きを添付することで説明しましょう。
ブランクも、理由が分かり解決したことが分かれば何も問題ありません。
長いブランクの場合は、そのまま就活するのではなくワンクッションを入れましょう。
ワンクッション先のトライアル雇用の窓口はハローワークです。
ラーニング系、インターンシップの窓口は転職エージェントが良いでしょう。
採用開始の時期から、応募先の選定、応募書類作成のアドバイス、模擬面接、面接の日程調整、応募先企業との連絡など、全て転職エージェントが無料でサポートしてくれます。
障害者の紹介予定派遣の窓口は、どの転職エージェントでも良いと言う訳には行きません。
これは、ランスタッドとアビリティスタッフィングしか取り扱っていません。
Point
- 書類選考で落ちた応募書類を使いまわさない
- 短いブランクの説明は診断書添付か説明書きを自分で作る
- 長いブランクは、ワンクッションを入れる
ラーニング系、インターシップを考えている方は、採用が年に1回の所が多いので、早めから相談をしておきましょう。
ラーニング系・インターンシップと紹介予定派遣をを取り扱っているエージェントをまとめました。
どこも無料です。
ラーニング系・インターンシップの御相談は、こちらの公式からできます。
ランスタッド公式サイト
https://www.randstad.co.jp/
『対応エリア:全国』外資系のグローバル企業です。精神保健福祉士が常駐しているカウンセリングが好評で、正社員・キャリアアップへの提案力があります。配慮のある環境でキャリアデザインをするのに最適です。
dodaチャレンジ公式サイト
https://doda.jp/challenge/
『対応エリア:全国』パーソルグループの特例子会社パーソルチャレンジが運営元です。自社が特例子会社だからこそ、障害のある人に寄り添った提案が出来ます。グループの保有する企業情報からの提案力はパワーがあります。
アットジーピー公式サイト
https://www.atgp.jp/
『対応エリア:全国』求人案件数が多く、業界では1-2位を競います。首都圏のみだけではなく地方の求人にも強くUターンやIターンで仕事を探す時に提案力があります。